こころあそびの記

日常に小さな感動を

春を呼ぶ雨

 

 今朝、富士山頂付近に傘雲が見られたと、ウェザーニューズが伝えていました。

 傘雲が現れたら天気は下り坂。大阪でもあと半時もすれば、雨が降り出すようです。

 春を待つ生物にはありがたい雨が降って、時には雪になって、季節は巡ります。

 

 

 日曜日に千秋楽を迎えて閉幕した大相撲。

 初場所を大いに盛り上げた力士が琴乃若関です。千秋楽の優勝決定戦で、照ノ富士関に惜しくも負けて優勝は逃しましたが、13勝2敗という好成績をおさめたことが評価され、今日、「大関昇進伝達式」が行われました。 

 

 彼の祖父は第53代横綱琴櫻関。私たち昭和人間には記憶に残る大横綱です。

 そのお孫さんですから、応援団も熱くなって当たり前。早くも、横綱昇進を熱望する声がネットに溢れています。

 早く琴櫻を見たいというファンの気持ちに踊らせられることなく、「お父さんが果たせなかった“大関琴乃若”の四股名大関を務めます」と宣言したようです。

 なんて、いい子なのでしょう。

 彼のお父さんは初代、関脇琴乃若関です。大関になれなかったお父さんの四股名で、僕が大関をつとめると言ったのです。

 並みのサラブレッドじゃなさそうです。日本人横綱は、しばらく出ていません。みんなの夢を叶えてくれそうな若者の出現に沸く大相撲界です。

 

 

 さて、おじいちゃん繋がりで、もうお一人。祖父の存在を意識されている方の会見を聴きました。

 トヨタグループの会長、豊田章男さんです。

 近頃、グループ会社の不正が続いたことのお詫びと今後の進む道を、報道関係者を前に話されました。

 少し前のこと、「トヨタイムズ」で、こんなことをおっしゃってました。

 「祖父が夢に出てきたので、『よくがんばった』と言ってもらえるものと思ったのに、『まだまだやな。私は織機から車へ業種を変えたぞ』と言われてしまった。だから、僕はもっと頑張らないと」

 

 昨日の会見では、「トヨタは潰れた。立ち直りの道は遠い。でも、どんな方にも移動の自由を確保してもらえるモビリティカンパニーを目指したい」と話されました。

 そのゴールは?という質問に、

「私と同じようなセンサーを持つ人を一人でも多く育てたい。そして、人材豊富ですねと、云われるところがゴールだと思っている」

と、応じておられました。

 豊田章男さんのお顔にも言葉にも真摯な生き様を感じました。

 嘘がない熱い気持ちが伝わる会見でした。

 

 

 さて、昨日は、もうお一人の演説を聴きました。

 岸田文男内閣総理大臣の施政方針演説です。

 彼の言葉は、なんであんなに伝わらないのでしょう。

 聴衆は、上手い演説なんか期待していないのです。話し手のパッションを感じ取りたいのです。

 政治家の話の内容なんて、似たり寄ったり。

 そんなことより、あなたの熱がいかほどかを感じたいのです。

 原稿通りに空虚な言葉の羅列を読み上げる総理大臣をいただく国民の熱は冷めるばかりです。