京都・東林院で「沙羅双樹の花」が見頃を迎えている。と、新聞に載っていました。
ナツツバキは一日花だとか。うちの泰山木の花も一日花。
美事に咲いて、散っていく潔さに、世紀末という不安が渦巻いた平安時代末期の人々が託したものを感じます。
ドームに行ってきました。
足に自信がないので、大阪駅からシティバスで行きました。
もう先を急ぐ年でもなくなったので、近頃は、地下鉄よりもバス利用を選択することが多くなりました。
バスだと、どこを走ってるか分かるから、頭の中で地図が描けます。その上、ちょっとした観光も兼ねられますから、お得だと思いませんか。
88号系統のバスは、淀屋橋から右折して、土佐堀沿いを海に向かって進みます。見たことのない景色にワクワクしながら乗車することができました。
さて、バスを降りたら目の前にドームに上がる長い階段があります。若い人たちがすいすい上がっていく様子を見ながら、これは無理!と諦めて。ふと見ると、階段の下にエスカレーターがあるではありませんか。
弱者に優しい社会。ありがたくその恩恵に与ることにしました。
ボタンを押して待っていたら、後ろから、両手に杖を持ち、しかも足には装具をつけた男性がゆっくりした足取りでやって来られました。
オリックスの応援ユニフォームを着用されています。
あぁ、お体がどのような状態であっても、行きたい!という気持ちがあれば、こうして身体は動いてくれるものなのだということを、学ばせていただきました。
「私も足の痛みを押して来たんですよ」と話しかけたかった。でも、エスカレーターの閉鎖空間ではちょっと勇気が出ませんでした。
しかし、大切な大切な、生きる条件を見せてもらったことに感謝です。
その後も、ドーム内で、杖をつく老人に何人かお会いしました。
みんな、応援ユニフォームを着ておられました。
試合の応援に行くことが、元気の源という方ばかりです。
ドームに行かれたことのある方ならお分かりでしょうが、階段の数は半端ないし勾配は急で、足の弱った人間にはキツい構造です。
それでも、行こう!行かねば!という気持ちが身体を動かしてくれます。
「いつも心にヒーロー」を持つことは、こんなに気持ちを高揚させて、身体を動かすことができるものなんだ。その事実が嬉しくてたまりませんでした。
さて、どんなことでも、生(なま)にかなうものはありません。
球場で見るナマ宮城君の球速は、テレビでは味わえないものでした。
でも、敵方の打球が描く放物線を見上げる彼のお顔を何度も見ることになったのは残念なことでした。
当の本人は、どれほど悔しかったかと察するのですが、一塁側に座った私の周りで彼を責める言葉はひとことも聞かれませんでした。
誰かを応援するってそういうことですよね。
チームが勝てば勝ったで万歳でしょうが、負けても次がある!で、整然と退席して、帰路につきます。
こういうのいいですね。
はじめにエスカレーターでご一緒した男性も満足してお帰りになったでしょうか。
装具を外して、ゆっくり余韻を味わっておられるかな。
だとしたら、きっと明日もお元気に過ごしていただけるはずと念じています。
宮城大弥君。人生にはこんな日もあるよ。ドンマイ・ドンマイ!
次は、ユニフォームも準備して応援に行くからね!!