こころあそびの記

日常に小さな感動を

高岡

 

 能登地震で報じられる惨状をみるにつけ、長く生きるとはつらいことだと悲しくなります。

 それでも、その映像を目に記憶することが役目だと思えば目を伏せてばかりもおれません。

 学生時代訪れた輪島の朝市。その帰りに珠洲から乗った車窓に朝の海がキラキラ光っていたこと。

 懐かしい能登半島です。

 

 被害は能登だけではなくて、富山や新潟まで及んでいます。

 高岡まで津波が押し寄せたと聞いて思い出すのは家持です。

 

 

 大伴家持国府として赴任した先が高岡でした。高岡の人たちは家持を郷土の宝として心から愛して高岡万葉歴史館を建てられました。そこで見たビデオでは、馬に乗って射水川を渡る家持の姿がありました。視線は遠く立山に投げられています。

 

 朝床に聞けばはるけし射水

 朝漕ぎしつつ唱ふ舟人

 

 また、立山を崇める心も伝わっています。

 

 立山に降り置ける雪を常夏に

 見れども飽かず神からならし

 

 京都育ちの家持は立山を見て、この山は神性ゆえにあんなにも貴いのだろうか、と感動したようです。

 雨晴海岸から見る立山

 いつか行きたいところです。

 

 あの頃、行きたかったのに行きそびれたのが、「氣多大社(けたたいしゃ)」、能登一の宮です。

 地震報道の初期に盛んに伝えられた志賀の南側にあります。

 今朝、SNSで確認したら、「大丈夫です」と早速に上がっていました。さすがです。東日本大震災のときも神社は残ったといいます。

 氣多大社。氣が多いと書く大社の持てる大きな「氣」が地震を最小限に抑えて下さったと信じます。いつか御礼に参りたいと存じます。

 

 

 健康に過ごすためには、健やかな気が大切です。

 その気が萎えるような年明け。

 負けちゃだめ!とばかり、散歩に出て、カモたちのかわいい生態に癒されて帰ってきました。

 

 

 動画も撮ったし、今晩はこれを見て、安眠できると思ってテレビを付けたら、飛行機が燃えているではありませんか。

 令和6年開始の2日間で、見たこともないものを見せつけられました。もういい。もうたくさんです。

 普通の有り難さを知れ!という教示なのでしょうか。

 明日からは、普通のお正月に戻れますように。