視線を変えてみようと、いつもの池を反対周りしてみました。
たったそれだけのことで、新しい発見がいくつかありました。いつの間にか心が固定されてしまっていたのです。心が動かない状態は、なるべくなら避けたいところです。高齢者ならなおさらです。
突然ですが、朝ドラ『半分、青い』が放映されたのは、2018年といいますから、今から6年も前になります。
当時、佐藤健くんにご執心だったので、彼とラインで繋がっていることを周りに吹聴して喜んだりしていたわけです。その繋がったままのラインに映画の宣伝が入ったのが一昨日のこと。
『四月になれば彼女は』という映画に主演されてる旨でした。
近頃、世間で「愛」が減っているのではと想っていた私には、絶好のテーマ。早速、観に行ってきました。
上映館が梅田しかなくて、しかも連休中ときてますから、場内は若い人の熱気むんむんです。申し訳ない気持ちで、隅っこで小さくなって席につきました。
そもそも、原作者の川村元気さんがどこかで「今の世の中に愛が減っているのでは」と書かれていた記憶が、この映画を観るきっかけとなりました。
私と同じ感想を持つ人がいるのだと。
原作本の帯には、「あのときわたしは、自分より大切な人がいた それが永遠につづくものだと信じていた」と書かれいます。
このキャッチコピーが、表すように、この話は「愛することを続けるためには」がテーマでした。
映画はボリビアのウユニ湖から始まります。青と白の映像美に、この景色が見られただけでも来た甲斐があると思えました。
健くんは、精神科医役ということもあって大幅に減量したのか、生気が感じられませんでした。婆さんにこんなこと謂われるなんて、役者とはしんどい商売です。
撮影のないときは、もりもり食べて笑顔でいてね。あなたの笑顔が大好きな婆さんより。
本題に戻って。「愛を続けるために」ヒロインが選んだ道は、姿を消すことでした。
劇中のセリフにも「憎んでいる人よりも、傍にいて愛してくれる人を容赦なく傷つける」のが人間だと出てきます。
姿を消すことで、残された方の思いが執着し生き続けると云いたいたいのでしょうか。
それだと、昔から、亡くなった妻のほうが、今の妻より美化されるということと変わりないことになります。
答えとなった最後のシーンは、目の前の恋人を愛し続けるには、「精一杯愛すること」しかないという表現でした。
難しそうに思えたストーリーでしたが、なんだ昔と変わらないことに安堵できました。“愛”が変質してしまったのではというのは老人の取り越し苦労でした。
”愛“は変わらずあると、安心させてくれた映画でした。