こころあそびの記

日常に小さな感動を

栴檀の花

 

 たった二、三日のご無沙汰でしたのに、北の空に見えたやわらかな青色を懐かしく思った朝でした。

 

 

 でも、東側の空は晴れようか雨降らそうか、思案中の雲行き。寒冷前線が過ぎた後に吹く北風が冷たい一日になりました。

 

 

 車を出そうとしたら、傍らにシジミチョウがとまっていました。飛ばずにじっとしているのは、寒いから?

 こんな小さな虫でも、知恵を駆使して生きています。

 

 

 家の前の電信柱の上で、大きな声で鳴く鳥がいました。双眼鏡で覗いても、これといって特徴は見当たらず、鵯くらいの褐色の鳥でした。

 鳴き声だけは特徴的でした。

 「スイッチョンスイッチョン!」

 これじゃ、秋の虫、ウマオイですよね。

 調べたら、大きな声でほかの鳥や虫の鳴き声を真似る鳥は、ガビチョウと出てきました。

 特徴のある目の回りは電線に邪魔されて見えなかったのですが、鳴き声が大音量だったことから、画眉鳥と勝手に決めました。

 

 ところで、バードウォッチングに欠かせない鳥の鳴き声ですが、聞いてすぐ分かるようになるには年期が必要であることはいうまでもありません。

 この鳴き声を文字に表すことを始めた人は、戦前の鳥類研究家であった川口孫治郎(1873~1937年)だそうです。

 たとえば、ホトトギスは「天辺欠けたか 特許許可局」、ヒバリは「ピーチクピーチク チュルル」、四十雀は「ツッピーツッピー」など、聞いた鳴き声を文字に変換したら、覚えやすいように思いませんか。

 これらの鳴き声の文字化したものを「聞きなし」といいます。

 キジは「ケーンケーン」、雀は「チュンチュン」。

 盛んに鳴き交わすのも、そろそろお仕舞いでしょう。

 明後日から、バードウィークです。

 

 

 プールの駐車場に降りたとき、前方の木に花が咲いていました。

 もしや、と、近づくと、待ってました!の栴檀でした。

 まだかなまだかな~と待っていた花です。花の名など疎い私に、友達が教えてくれた五月の花です。

 遠くから見ると煙っているように見える、五月のお約束の紫色の花です。

 

 

 健康に過ごすためには、寝る前に今日一日のマイナスの思いをクリアするといいと聞いたことがあります。

 しかし、嫌な思いを拭えないのが人間ではないでしょうか。

 忘れようと努めるのではなく、反対に、良かったことが一つでもあれば、それを大きくするというのはどうでしょう。

 私は、今日、大好きな栴檀に出会えたことで心が震えました。なので、ありがとうと伝えながら眠りについたら、栴檀の精霊がいい夢に導いてくれるように思うのです。