こころあそびの記

日常に小さな感動を

挑戦者

 

 今日は藤田美術館の学芸講座「うるわしの古筆を読む」に行ってみました。

 たくさんの名品をお持ちの藤田美術館だからこそ、『光る君へ』効果を読み取るやいなや出品できてしまう。それがこの美術館の実力とお見受けしました。

 

 

 写真は藤原公任(996~1041)が集めた和歌が101首が収められた国宝『深窓秘抄』です。

 書名は「わが心に適へる歌一巻を集めて深き窓にかくす集」という意味だそうで、日本語の創生期にはこんな美しいニュアンスがあったことに感動します。

 今日のお題の仮名文字。見てるだけ~になってしまったのは、大学時代の書道部にいらした福山市出身の先輩があまりに上級者であったためです。

 追い付けないと知ると人は追いかける気力をなくすものです。

 

 

 帰宅したら、ちょうど尊富士関が新入幕で初優勝という快挙に挑もうとしているところでした。

 大正時代の両國関以来、110年目に記録更新なるかどうか。故郷の青森五所川原の市役所には大応援団が集まって喝采を送っていました。

 私も、その一員に加わろうと観戦していたところ、立ち会いで尊富士関が足を気にしていたので、どうかな?と思ったら、案の定、足を故障して、今日の記録更新はおあずけになりました。

 対戦相手の朝乃山が試合終了後に「自分の相撲で記録を作られたくなかった」とコメントしました。

 先輩力士の意地です。朝乃山はコロナ禍に欠場を余儀なくされて悔しい思いをしたはず。それなのに再登場したあともどこか気弱な表情が気になるところでした。その彼が蘇るチャンスを、この一戦で掴んだかもしれないと思うと、それはそれで楽しみができました。

 尊富士には明日、なんとしても勝って、ふるさとに錦を飾れますように。

 

 

 

 「記録は必ず破られる」と、いつか箱根駅伝で瀬古さんがコメントされたように記憶しています。

 こんな凄い記録が破られるはずがないという大記録が何年か後には必ず破られる。

 これは、スポーツだけではなくて、歴史のあらゆる場面で人間が成し遂げてきました。そして新しい世界が拓かれていきます。

 日本保守党の飯山陽さんがYouTubeで、マックスウェーバーの言葉を取り上げておられました。

 「不可能なことに手を伸ばさなかったら、可能なことも実現しない」

 挑戦するから可能になる。諦めたら終わる。だから彼女は挑戦者に打って出ました。

 全ての挑戦者の応援団として、明日を夢見る婆さんです。

 

 

 追記

 かつて人気番組だった『プロジェクトX』が復活するそうですよ。

 番組終了から18年。

 世の中が停滞しているのは、片隅で頑張る人を蔑ろにしたからと、ようやく気づいたからかもしれません。そうだとしたら嬉しい。

 がんばるすべての人を応援しましょう!