こころあそびの記

日常に小さな感動を

逞しい若者たち

 

 愛犬なのか、はたまた外からの侵入者なのか不明ですがクロッカスの土が荒らされて、今年は開花が遅れました。

 もう、春一番ではないのが残念ですが、やっと擡げてきた蕾に春雨が開花を促してくれています。

 変形してもいい。無事に花開くことを念じて待っています。

 

 

 雨の日曜日は、出かけるのも億劫になりますから、雨の音を聞きながら本を読んで過ごしました。

 ふと気づくと、相撲の時間です。

 今、大相撲春場所が旧、なんば体育館で開催されています。

 相撲が年寄りの楽しみといわれるゆえんは、老人は時間を持て余すからでしょう。

 まさか自分がその一人になるなんて思ってもいなかったのですが、見始めると贔屓の力士も出てきて面白いものです。

 注目力士が琴乃若関なのは、全国のファンと同様です。

 おじいさんの琴桜を知る人間は声援を送らずにおれないことはもちろんのこと、美形のお父様が「琴さま~」と黄色い声を浴びておられた、現、佐渡が嶽部屋の親方とくれば、日本中の熱い期待を一身に受けて当然のプリンスです。

 

 こないだ、あるタニマチさんが「誰のファン?」と訊ねてくださったので、とっさに「若元春」と応えました。

 そうしたら、「意外に彼のファン多いんだよね」ですって。ライバル多し。応援タオルもあるみたいなので、それ欲しさに大阪場所に行ってみたくなりましたが、高額のチケット代には手が出ませんでした。

 

 若元春は、他の力士のような柔らかさが感じられません。硬派男子のように見えるのは、勝っても負けても顔つきに変化が見られないからです。

 体つきも硬そうで、「ザ・オトコ」 を全身で表しているみたいな力士、なんていうと、~ハルスメントといわれちゃうかな?

 実は、彼も、お父様に続く世襲力士です。しかし、相撲を命がけで取るというのは、どこかの世襲議員さんと違うところです。

 昔は、お坊っちゃんと持ち上げられてお殿様は育ちましたが、今はそうはいかない時代になりました。

 

 

 お坊っちゃまの育て方には時代の変遷が反映されています。

 厳しい躾に高い教育を施して人づくりをし、谷底に突き落とす経験を積ませた昔の養育は、子に贈る親心でした。

 反対に、戦争経験者の親が自分と同じつらさを経験させたくない、と思って育て上げたのが団塊世代です。

 甘かった。その弊害が私たちの子世代にまで及んでいる現実を見るにつけ、子育ての難しさを思わざるを得ません。

 

 

 今日、大相撲大阪場所は中日となりました。

 新入幕力士の尊富士(たけるふじ)が全勝の八勝を上げて折り返す快挙です。

 青森県出身の24歳の若者は、学校から帰ったら、凍りついた廻しを1000回スクワットで解かしたといいます。

 自らに負荷をかける生き方を自ら選びとって邁進する姿を頼もしく思っています。

 次世代に期待して応援しています。