疫病蔓延の今年だから欠かせない行事とするか、三密を避けるために中止とするか。神社も迷われたことでしょう。
近くの氏神様は「茅の輪くぐり」の輪っかを設えてくださっていました。暑い中、こんな年だからか、参詣者が途切れることはない様子でした。
今年上半期の穢れを祓う「夏越しの大祓い」。
あとの半年の無病息災と招福も祈ります。
茅の輪の横に「茅の輪を作った残りの茅です 良かったら持ち帰って小さな茅の輪を作ってください」と書いてありました。
男性でもお上手にその場で作っておられたので、真似してみました。下手くそでも神様に通じたらと。
茅葺き屋根として利用されてきた茅はススキの仲間たちです。ススキの茎はちょっとやそっとの力では折れません。山道でススキを見つけたので、折ろうとしたことことがありましたが、持ち帰ることはできませんでした。
油分を含み雨をはじく強い草だから、有用植物というのですね。漢字の「茅」も“草冠の下に武器”というなかなか厳めしい字です。
その茅を輪っかにするというところが”ミソ“らしいです。
水は球形であるときに一番安定するといいます。
茅の輪の輪っかはどんな意味があると思われますか?
それは、ちょっと怖いけれど、悪鬼を縛り上げるということらしいです。お正月のお飾りも、その意味は同じです。
邪鬼を追い払って、無病息災を祈りましょう。
輪っかは「蘇民将来、蘇民将来・・」と唱えて回りまます。
「将来」という言葉の意味を、初めて知ったとき、なるほどと思ったことがありました。
普通は、将来とは未来を指すと考えます。
しかし、将来とは「持ってくる」という意味だそうです。
私たちは、自分で未来を持ってくるのです。
未来は作ることができることを、昨日も、『WE HAVE A DREAM』の若者の言葉から読み取ることができました。
南太平洋に浮かぶバヌアツという国のファンシー・マーサ・ブラウンさんは、「土地は命」という言葉を掲げて、今の環境を守る活動をされています。
将来はどうなるんかなぁではなくて、こうしたいという強い意志が未来をきっと変える。そして、今考え得る最高の未来を若い人たちが作ろうと努力していることが希望です。
すばらしい未来は将来されるのです。
一人一人が良い明日を思い描いたら、それがたとえ心の中で念じているだけであっても、描いた未来が実現すると信じましょう。