こころあそびの記

日常に小さな感動を

「千鶴子さん」

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 今日、スーパーに寄ったら”北海道産の西瓜“が早くも、並んでいました。
 西瓜は鳥取栄西瓜というブランドものは過去の話で、今や熊本から始まって、石川から山形まで北上することは知っていましたが、この時期にすでに北海道とはびっくりしました。
 それでも、西瓜を見ると手が伸びてしまいます。家族の熱した体を思うと買ってやりたくなるのです。
 スイカは“西の瓜”と書きます。中国奥地のもっと西、サハラ砂漠が原産です。
 属性は「寒、潤、降」ですから、体の熱を冷まして利尿作用を持ちます。砂漠を歩く隊商の体を癒やしてくれる食べ物であったことがわかります。
 火照った体を冷まして、余分な熱をおしっこと共に排出してくれる。これからの盛夏になくてはならない食べ物なのに、もう北海道産とはどういたしましょう。

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 朝刊の「朝の詩」に91歳の方が投稿されていました。
 ”慶応3年生まれのおばあちゃんは毎朝、四方拝をしていた。お天道様にはずかしくないように生きなさいと私を励ましてくれた“と。
 たった12行の小さなスペースに、宇宙が詰まっている気がしました。
 江戸時代最後の慶応の方がお天道様を拝んでおられる。それが明治時代の人の記憶に残っている。
 今、昭和、平成、令和の時代に四方拝を語り継ぎ、その姿を伝えられる人は数少ないことでしょう。
 令和の孫に昭和生まれのおばあちゃんが伝えなければ、順送りが途絶えてしまいます。大切なことを教えて下さいまして、ありがとうございました。 

 ところで、91歳の方のお誕生年を西暦に変換する方法をご存知ですか?私は、今日、店先で勉強したところです。

 「コロナワクチンの申込書を息子に頼んだら、“生年は西暦で何年?”と訊いてくる。”わからんわ“、言うたら怒りよる。隣にいた孫が“おばあちゃん、今は2021年やろ。そこから自分の年齢を引いたらええねんで”と教えてくれた。あの子は阪大出てるだけあって、やっぱり賢いわ」
 ポーカーフェイスで、来店のたびに私をお腹の底から笑わしてくれる「千鶴子さん」のことが大好きです。
 おかげで91歳の方が父より5歳下と即座に計算できましたよ。ありがとう。