30年ほど前から本格的に保険調剤薬局が始動しました。当初はそのシステムが分からず「なんで薬局で保険証がいるの?」と言われる患者さんの不信感を拭うための説明から始めたものです。
しかし今や、お医者がさんが発行した処方箋は、迷うことなく薬局に持ち込まれるようになりました。
その後、ジェネリック(後発品)の推奨が叫ばれるようになったことはご存知のとおりです。その理由はワーキングシェアという以外に、赤字に陥った社会保険の負担を減らすことが目的でした。
先発医薬品希望で薬をもらって、3割負担の方の自己負担が1500円だったとしましょう。あとの7割分、3500円は社会保険が支払います。
それを、半額の後発品希望にしたとします。自己負担額は750円で保険からは1750円の支払いで済みます。
つまり、保険の支出が減ることになるから、赤字の保険財政が助かるという仕組みです。
後発品には昔から2つのハードルがありました。
一つは安定供給という課題、二つ目は品質管理です。
後発品の使用量が全使用量の8割を超えることを目標に、後発品の製薬メーカーも薬局もその使用量を増やすことに努力してきました。
ところが、ここにきて、大変なことになっています。
先ず、生産体制に綻びが出ました。
報道でご存知のように、出荷の停止命令が出た会社が出てきました。それに伴い、他の後発医薬品メーカーも製造ラインの見直しやチェック体制の強化をせざるをえなくなりました。
つまり、当初の予想通り、供給は止まり大混乱が起きています。
後発医薬品メーカーがすべての薬を作っているわけではないために、Aという後発品がストップすれば,市場にAはなくなります。仕方なく、先発品に注文が殺到するので、先発品さえ取り合いになります。
今、薬局では毎日、「ないんです」「いつ入るかわかりません」と伝えざるを得なくて、患者さんにご迷惑がかかる事態となっています。
薬がないと患者さんが困っておられます。
どうぞ早めに復旧していただいて、これ以上の混乱が起きないことを願うばかりです。