街路樹が色づいてきました。
イチョウ並木の黄色は青空に映えます。
あんなにキラキラしていたポプラの葉っぱは春の精彩をなくし始めています。
微妙な色合いを長く楽しめるのが欅です。日々、違った色合いを見せる欅坂を通るとき、秋を感じます。
昨日プラプラ歩いていたら、こんなプレートを見つけました(上の写真)。逞しく蔓が巻きついている街路樹の一本にぶら下げられていました。
まず、この街路樹がユリノキであることに驚きました。大阪市立大学付属植物園へ行かなければ会えないと思っていましたのに、こんな近くにあったことに感激しました。
大阪市立大学付属植物園のユリノキは2018年の台風で倒木してしまいました。樹高40メートルもある大きな木でした。今は、そのでっかい根っこを晒すばかりです。研究施設ですから、そのまま置いてあります。見に行ってみてくださいね。
一時間程で一周できて、ちょっとした山歩きができます。それぞれの木や花にネームプレートがつけられているところが素人にはありがたいことです。
星でも花でも名前を知れば、知らないときにはなかった交流を感じます。それも一つの元気の作り方ではないでしょうか。
さて、街路樹にぶら下げられた案内文の最後に記された「調べてみたらおもしろいですよ」のお言葉に従って調べてみたら、知らないことだらけでした。
ユリノキの幹に巻きついて、我が物顔ではびこっているのが「オオイタビ」で、漢字なら「大崖石榴」と書くクワ科イチジク属の常緑つる性の木だそうです。
イチジク属ですから、花は壺状の中で咲きイチジクコバチがその中に入って受粉を助けます。雌雄異株。秋に雌株にできる紫色の実は食べられるそうです。
そうなんだと、木を見上げましたが、実らしきものは見あたらなかったので、雄株だったのかな?
どれだけ生きても知らないことは山ほどあって、だからこそ、退屈しないのですが、今回もまた、今まで知らなかった言葉を知りました。
「絞め殺し植物」。なんと恐ろしい名前でしょう。
このオオイタビなどのイチジク属は気根を出して宿主に張り付いて、樹木を枯らしてしまうことさえある生命力の強い植物だそうです。
同じ属に観葉植物で人気のガジュマルがあります。この子も横に根っこらしきものを垂らしています。これが、自分の幹となり自立していくとか。
なんとしても生き延びようという根性を感じさせる木です。
このオオイタビの餌食になったユリノキは、きっと鳥たちに糞を落とされたのでしょう。その中に入っていたオオイタビの種子が発芽して、ユリノキを覆い尽くしてしまった。
かわいそうなユリノキ。
ちなみに、ユリノキはモクレン科です。
春にチューリップのようなモクレンに似た花を咲かせるからチューリップツリーとも呼ばれます。
日本では、1200万年~2000万年前の地層から見つかっている、生きている化石です。
これから、落葉していくユリノキと、常緑樹のオオイタビ。どっちの子を愛でるべきか。悩ましいことです。
そんなことに迷えるのも、新発見があったからです。
プレートの設置主様、よくぞ教えて下さいました。ありがとうございました。