こころあそびの記

日常に小さな感動を

春『らんまん』が楽しみです

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 神木隆之介さんが来年の春スタートのNHK朝ドラ『らんまん』に主演されると聞き、早くも期待を膨らませています。
 このドラマのプロデューサーの方が「毎朝、優しい気持ちになってもらえると思います」とコメントされています。
 ひょっとしたら、この方もフジテレビ『風のガーデン』のファンだったのではとうれしく思いました。
 故・緒形拳さんに当て書きされた倉本聰脚本のドラマです。
 緒方さんの孫役で、障害を持つ心優しい少年という難しい役を神木隆之介さんが演じられたから、このドラマの清らかさが忘れられないものになっています。
 『風のガーデン』では、ナチュラルガーデンが舞台でしたが、『らんまん』は野山で花を観察することになるのでしょうか。
 いずれにしても、彼の持ち味が存分に活かせるドラマになると期待しています。

 ドラマのモデルは土佐が生んだ偉人、牧野富太郎博士です。造り酒屋の一人息子として生まれ、三度の飯より植物の観察が好きで、没頭しているうちに、実家が没落して貧乏生活を強いられます。それでも、植物に命を懸けて、植物学者として、多くの著作、図鑑を残されました。
 私も一冊持っていたはずと、探し出した本はページをめくる度に、ほんのりお香の匂いが漂う古書でした。

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 その本の「あとがき」に、植物を愛し続けた博士の言葉が書かれています。
 「私は世人が植物に興味を持てば次の三徳があることを主張する。
 第一に、人間の本性が良くなる。何人もあの優しい自然の美に打たれて和やかな心にならぬものはない。
 第二に、健康になる。自然に戸外の運動が足りるようになる。
 第三に、人生に寂寞を感じない。草木は永遠の恋人として、われに優しく笑みかける。」と。

 博士が、いかに植物を愛されたかが分かる信条です。
 トゲトゲした日常でふと見つけた一輪に、我をとりもどしたり、孤独感に苛まされたときには、そっとはげましてくれる。
 花にそんな力があることを知ったのは、私の場合は老境に入ってからのことでした。
 もうたくさん見てきたから、何も珍しいものはないわとばかり、見て見ないで通り過ぎるばかりの行動は心の感度を下げてしまいます。そんなときは、どこか体に違和感が出てくるように思います。
 同じものを見るにしても、今日の新鮮な心で見ることで昨日まで見えなかったものが見えるかもしれません。今日の感じ方を大切にすることが健康につながります。