こころあそびの記

日常に小さな感動を

愛しちゅう♡

 

 九月も明日まで。

 酷暑をがんばり通した百日紅も、最後の力を振り絞って咲いているという風情になってきました。

 

 

 今日は旧暦8月15日。中秋の名月が上る日です。

 この青空が、どうか夜まで続きますように。

 円満。まるいことは満たされている証。満月を心に映して何を想いましょう。

 中国の詩人、白居易は、みずみずしい十五夜の月をあおぎながら、遥かな友人の身を思ったと詠っています。

 今宵、誰を想いますか?

 

 

 『らんまん』ロスが始まります。

 最終回、ご覧になりましたでしょうか?

 『日本植物図鑑』。日本の草花、3206種を収めた図鑑が完成したところで番組は終了しました。

 「わしを信じてくれてありがとう」

 「万ちゃんこそ、私のお日さまでした」

 

 牧野博士のような一風変わった人を描くには、脚本家もご苦労があったことと拝察します。が、長田育恵さんは「天真爛漫な人たらし」と捉えて書いたとおっしゃっています。

 だから、毎朝、安心して観られたのですね。

 

 忘れてならないのは、神木隆之介さんの好演です。

 この役は彼しかできないと、キャスト発表時から思っていました。

 というのは、この作品に先行した植物ドラマ、『風のガーデン』で、難役を爽やかに演じた印象が忘れられないものとなっていたからです。

 「演じる上で一番大切にしたものは何ですか?」という質問に、「素直な目で演じること」と応えています。

 そんな彼だから、『らんまん』をみごとに“らんまん”にしてくれました。

 

 それから、浜辺美波さんです。 

 『日本植物図鑑』の完成という、途方もない夢に邁進できたのは、寿恵子さんが挫けなかったからです。

 食べることさえままならない生活の中にあっては、こころざしだけでは前に進めない日もあったでしょう。それでも、決して悲壮感が漂うことなく進行したのは、偏に、彼女の美しさだったのではないでしょうか。

 

 

 朝ドラが終わる度に、こんなふうにロスるのですが、今回の成功は、神木さんと美波さんのお二人に負うところが大きいように感じています。 

 それから、いつの間にか、路傍の草花に”言葉足らず”の愛を感じるようになったこともご報告申します。

 ありがとうございました。