こころあそびの記

日常に小さな感動を

北帰行

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 「念ずれば花ひらく」とは、坂村真民さんのお母様が真民さんに言い聞かせ続けた言葉だといわれています。
 心に深く念ずれば思いは必ず叶う。
 そんなことばかりではありませんが、長く人生を生きていると不思議なことに遭遇するものです。

 先日も「お水取り」の話をしたら、川鵜が姿を見せたことをお伝えしました。
 お礼を言いに来てくれたのでしょうか。

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 今朝は、上の写真です。よ~く見てくだされば、空にゴマ粒が見えませんか。
 久しぶりの守口勤務。仕事に入る前に、淀川さんにご挨拶です。
 土手に上がったら、真っ青な空と春の陽光と滔々と流れる川が見渡せて開放感は抜群です。遠出も山登りもできない私にとってはこの上ない別天地でした。
 それにしても、風の強いこと強いこと。
 群からはぐれて茂みで鳴いている一羽のミソサザイが飛び立とうとしたところ、北風をまともに受けて煽られるところを見てしまいました。それくらいの強風でした。雀より小さいミソサザイには気の毒なことでした。
 そんな小鳥の可愛らしい様子を堪能して、川下に向かって歩き始めた視界に飛び込んできたのは、雁行らしき大群です。数百羽以上の雁が川下、つまり南西から私の方へ向かってきます。
 城北公園あたりから舞い上がった直後なのか、まだ大空高くまで上りきらず、私の頭上、百メートルくらいを飛んでいく群は、一羽一羽を確認することができるほど近くに感じました。
 急いで、携帯をバッグから取り出して、めくらめっぽう押し続けたのがこれらの写真です。
 必死のパッチでシャッターを押し続けている私を見て
、「あれは、毎日見られるのですか」と、尋ねてこられた方がありました。
 「いいえ、今日、北へ帰る日なんです!」と大興奮でお応えした私はヘンなオバサンとしか写らなかったことでしょう。
 昨日から気象予報士が口々に「明日は、この冬最後の寒さになります」と連呼されていた通りの朝です。
 その予報通り、この冬最後の北風が吹く日と知って、その向かい風に乗って旅立って行ったのですよね。春になっては困る鳥たち。なんと、賢いことでしょう。
 一瞬の出来事。まさにジェット機を間近に見たときと同じ迫力がありました。
 近頃、雁行を見てないよ。無理だよねと想っていたのに夢の光景は私の手が届きそうなところに現れたのです。

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 古代から鳥は空と大地をつなぐものとされています。 
 そんな鳥たちは、空からどんなメッセージを運んでくれているのか私には見当がつきません。しかし、一瞬の出会いがいのちを励ましてくれたことは確かです。
 どうか、この先、繁殖地まで無事に帰ることができますように念じています。また、祈りごとが一つ増えました。うれしいことです。