こころあそびの記

日常に小さな感動を

カラスの巣

 

 昨夕の花散らしの風で吹き飛んだ花びらが庭一面に広がっています。

 ちょうど、カラスノエンドウが最盛期。その赤紫色と桜の淡いピンク色が濃淡の模様を織りなして、地面が華やいで見えます。

 

 先日から、カラスがバタバタとうるさいなぁと気になっていました。

 それも、飛び立つのはいつも、庭の隅っこにあるヒマラヤ杉のてっぺんあたりです。

 あやしいなぁ。

 というのは、以前にも営巣された経験があったのです。

 孫たちに見上げてもらったら、「巣が見える」というではありませんか。

 たいへんです。卵が孵化したらもっと大変なことになりそうです。

 

 ということで、今日、植木屋さんにお願いして木を切ってもらいました。

 

 

 案の定、巣を作っていました。作業中、狂ったように隣の屋根から屋根に飛び回り威嚇を続けたカラスのつがい達には気の毒なことをしました。

 巣の写真を見て、その精巧さにびっくりしました。

 枝や紙切れやロープで、ざる型に成形してあって、しかも、体の当たるところは柔らかい羽毛を敷き詰め、形が壊れないようにどこで調達したのかロープまで巻いてあります。

 親に教えてもらったわけでもないのに、彼らの生きる力に感服します。

 それがわかっていながら、阻止した人間を許して下さい。こちらの事情は近隣への迷惑なので、どうかお察し下さい。

 

 

 ところで、「世界に鳥は何羽いますか」という質問に、こども科学電話相談で川上和人先生が答えておられるところによりますと、「500億羽」だそうです。

 人間が70億人に対して、鳥の数は動物界でもずば抜けて多いことを初めて知りました。

 なぜ、そんなに多いのか。

 鳥は、飛べます。だから、山の上であろうと、木の上、川べり、海上の島と自分の居場所を変えることが可能です。

 また、体が軽いから、少食で済むし、餌がなければ移動したらよいことから、生き残り続けてきたといいます。

 これぞ、中国の仙人が目指したところです。お手本は、鳥だったことがよくわかりました。

 

 

 過去の放送の聞き逃しを聞いていたら、「鳥は道に迷わないのですか」というのもありました。

 鳥が北方位を北極星で知り、太陽の方角から南を知ることなどを説明した後で、「しかし、迷うことが大切なことなんだよ。自然の中では迷うという冒険から新しい世界が始まるんだよ」と、話して下さいました。

 

 毎日、迷うことが、明日を拓く道というお話に勇気百倍いただきました。