こころあそびの記

日常に小さな感動を

望海丘展望台

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 夜来の雨が上がって、誰もが「あぁ、気持ちいい!」と思わず深呼吸してしまうようなキラキラした朝でした。
 二日間降り続いた雨で、体も十分に水を吸い込んで重くなっていますから、外に出ておいでと自然が誘ってくれなければ億劫になります。
 朝の空気に素直に従って外に出ました。

 箕面滝と目的地を決めて、歩き出しました。
 歩きながら、こんなお天気ならきっと望海丘展望台からの見晴らしが素晴らしいに違いない。今日はそちらに行ってみようと思い直しました。
 
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 この急な階段を見ただけで足が竦むばかりで、登りきったことはありませんでした。でも、いつかは上りきって海が見たいという願いを持ちながら、恨めしく横目でみながら通り過ぎてきたこの階段。
 今日ついに海を見遥かすことができました。
 その美しさを独り占めする場所に立てたこと、そして、積年の願いを叶えた自分の体に感謝でした。
 
 階段という階段の土が掘り返されていました。雨上がりの柔らかい土を掘って、猪がミミズなどを食べた跡と思われます。早起き猪に驚きましたが、よく考えたら彼等は夜行性でしたね。日の出前にしでかしたことなんだと独り合点。
 
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 これだけの猪の痕跡を見ると、望海展望台から先は一人で進む勇気が出ませんでした。
 もと来た階段をゆっくり下りていると、数十人のグループが追い越して行かれました。
 お伺いしたところによると、箕面山の奥まで行ってこられたとか。想像するに暗いうちからスタートされたはずです。中に小学高学年と思しきお嬢さんが混じっていたので「よくがんばったね」と声をかけました。
 ちょっと照れた彼女の頭をよしよしと撫でたお父さんの仕草に親子愛が見られたことが印象に残りました。
 自然もいいけど人間もね、と思う瞬間でした。
 
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 山の木々が芽吹き始めました。
 こうして一本一本から新芽が湧き出すことで白んで見える山を表現した「山笑う」に相応しい季節の到来です。
 
 「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」(論語)

 今日は滝ではなく、山を堪能したから後者かな。