こころあそびの記

日常に小さな感動を

喜怒哀楽の調和

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 蘂の紅色と、若葉の薄緑色と、残り花の薄い桃色の三重奏。自然は私たちに飽きさせないように次から次へと最大限の工夫を展開してくれます。
 人間関係で「共感」こそが大切であるように、大自然の受け手である人間は、傍観者という立場ではなく、一緒に呼吸する気持ちでいられたら、季節と上手に付き合えるように思います。
 それが、何より健康に過ごせるコツと思ったりするわけです。


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 ところで、『鎌倉殿の13人』はご覧になっていますか?
 見逃してしまった4月3日の放送で、小栗旬さんのセリフが泣けたそうですね。
 「振り向かなくても構わない。背を向けたいならそれでもいい。私はその背中について尽くす」
 北条義時の一途な気持ちが吐露された回を見のがすとは、残念なことをしました。
 ちょっと三谷幸喜さんらしい台詞のようではありますが。
 それとは別に、そのセリフを受けた八重を演じた新垣結衣さんのコメントに同感したので記します。
 「時代劇は殆ど見たことがなかったので、共感は難しいと想像していましたが、身近な人が亡くなった悲しみ、死への恐怖、嫉妬、人を好きになることなど(当時にも今とと同じように)本当に生きていたんだと感じて、(虚構の世界でないことが分かりました)」
 どんな時代であっても、一般の人々は逞しく生きてきました。政治家が強いのではなく、民間人がつよいのです。だから今に繋がっているんだと感じられるようなドラマなら、視聴率の確保も間違いないように思います。

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 学生の頃、年号と登場人物だけで済ましてしまう歴史の授業は面白くないものでした。
 誰かが誰かと争うという話ばかり。歴史の主人公は戦う人なのでしょうか。
 お隣の中国ドラマを観ても、これでもかというほどの裏切りや策略が盛り込まれています。理解が付いていきません。
 いつか、中国の方に訊いたことがあります。
 「一党支配はどう思われますか」
 「民間人には何の関係もない。長い間満足に食べることさえできなかったのだから、今日食べられたらそれでいい」
と、その方が応えられたことに、返す言葉が見つかりませんでした。
 
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 お国を動かすことと、人々の生活はかけ離れたところにあるというのが今もまかり通っているのです。
 それはそれで良かったのに、現実は民間人が戦争に巻き込まれようとしています。
 新垣結衣さんが仰る、人間としてふつうの感情の浮沈が大方の人の人生です。良い人生だったと思える人は幸せです。大切なことは、喜怒哀楽をバランスよく味わうことです。それが、心と体に良い影響をもたらすことがわかっています。
 なのに、怒ることと悲しみばかりを味わっていると、そのうち心の調和が乱れてくることでしょう。
 そうなる前に、平和を取り戻してほしい。そればかりを切に祈っているのに、今日もまた、目を覆いたくなるニュースが届きます。
 冷たいようですが、心がつらくなった人は、ニュースを見ないことです。
 情報を絶つことは、心の治療の第一原則です。
 春は特に心が揺れ動く季節です。自分に余計な負担をかけないことが自分を守ることになります。