こころあそびの記

日常に小さな感動を

涙の数に悔いはなし

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 アホですから、意地になって『琅琊榜』を見続けました。その甲斐あって50話を見終わり、やっとスッキリしたところです。
 寒さと戦いながら撮影に挑まれた出演者さんたちお疲れさまでした。宮殿の大きな扉はどこも開けっ放し。吐く息は白く見えます。
 中国古代は今以上に寒さとの戦いだったことがよくわかりました。その寒病克服のために著されたのが『傷寒論』です。
 劇中、寒い体を温めるために常に飲まれるのはお茶です。それも、茶色でしたから、緑茶ではなく蒸したあと発酵させたものでしょう。
 発酵させる地域による味や香りの差異が、中国茶の愛好者を増やしています。
 発酵文化は照葉樹林文化。主に中国南部、雲南省あたりが発祥地です。それが、同じくモンスーン気候の日本に伝わっています。屋久島にはお茶作りが、愛媛県には黒茶を作っている地域があるとは、テレビで知った情報です。
 
 また、煎じ薬が度々登場することに驚きます。
 中国では、誰でも自分用に調製したお茶をポットに入れて持ち歩いていると聞いています。
 病気になった時だけではなく、少し何時もと違うときにも服用することが、大昔からの文化として根付いていることは、寒暖の差が大きい大陸で生きる知恵なのかもしれません。


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 日本で現在、漢方薬といわれるものは製薬会社が煎じて賦形剤を混ぜて、飲みやすいエキス顆粒にしたものです。
 漢方薬の名前は、生薬の名前を取っているもの、効き目から名付けられたものなどがあります。
 では、この季節によく使われる『玉屏風散』とは、どんな効き目があるでしょうか。
 このネームには”屏風“が含まれます。
 外からやって来る邪気から身を守る盾となる、つまり上等な屏風になってくれるという意味です。
 この『玉屏風散』の主薬は、黄耆(オウギ)です。気を補充する補気薬の代表です。
 私たちの体は目に見えない衛気(エキ)がとりまき、まさに防衛していると考えられています。その衛気が弱くなるとどんなことが起こるかというと、息切れ、呼吸が浅い、声に力がない、風邪をひきやすい、汗が出やすいなどの症状が現れます。
 屏風というガードを強化すれば、花粉症対策にもなるというわけです。
 残念ながら、医療用漢方薬にはないので、お入り用の方は漢方薬屋さんに相談なさってみてください。
 
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 戦いだけでは、オバチャンの観る気が失せますので、ラブストーリーも織り交ぜてありました。
 うまくはめられて最後まで観てしまいましたが、めでたしめでたしで終わったから流した涙の量に悔いはありません。