雨に打たれてしなっていたツツジも、今朝は元気を取り戻して、みんなが帰ってくる連休を待っています。
花が季節の移ろいに合わせて毎年同じタイミングで咲けば、人もいのち健やかでおれるという恵みを享受できるように思います。
ツツジは日本原産であって、イギリスでアザレアと品種改良されたとか、シャクナゲはネパール原産などと、先日のテレビで知りました。
それは18世紀の大航海時代のお話。
それらの植物を探した人をプラントハンターと番組内で呼んでいましたが、名付けたのはもっと後のような気がします。
もう、新種の発見は難しいように言ってましたが、今も珍しい植物を世界中から持って帰って、見せてくれる人がいます。
神戸国際会館、屋上庭園の樹齢数百年のオリーブの木です。
これを初めて見たときは感激しました。植えた人が西畠清順さんであることを知り、しばらく追っかけをしたのも懐かしいことです。
さて、千里川にいよいよノイバラが咲き始めました。
川の両岸に白く咲き誇るようになるには、あと10日ほどかかりそうです。でも、咲いてからしばらくはその状態を楽しめることが野生のバラの強さでありましょう。
それに比べて、我が家のバラは、毎年この連休にぱっと咲いてぱっと散ってしまいます。
バラに詳しくないのですが、「植えておけば咲いてくれる丈夫なバラ」という品種です。
もうかれこれ十年前になるでしょうか。宝塚でバラ園芸家の方の講座がありまして、初回にそのように説明をうけたバラです。名前は「キャンティ」でしたでしょうか。
多分、野生のバラから改良されたから強いのです。虫もつかず、病気にもならず、私のように剪定も誘引も出来ない人でも咲いてくれる貴重な品種です。
しかも、香り高いこと高いこと。
加えて一輪に何枚の花弁が畳み込まれているのか、数えようもないほどですから、それらを集めて萎れるまで家中に置いて楽しむのが、このバラの持ついのちをいただききることになると思っています。
バラの芳醇な香りは、いのちの循環を良くします。
ローズヒップ茶は高価ですが、それだけの効果は期待できる自然からの贈り物です。
バラはイギリス発祥のように思いがちですが、原種はハマナスです。
東アジア、日本原産。しかもハマナスは北海道オホーツクの海岸に多く見られる花です。今はどうなっているのでしょう。
かの名曲「知床旅情の歌」はわが先輩、森繁久彌さん作詞作曲です。大阪人だから、知床の大自然に心打たれてできたのかもしれません。事実、人を寄せ付けない厳しさを持つと昔からいわれてきた土地です。
「知床の岬にハマナスの咲く頃」で始まる歌が、今は悲しみを思い浮かべざるを得ないことがつらいです。
流氷の離岸がもっと遅かったらこんなことにはと、自然のサイクルの確かさを恨んでみても、詮ないことです。