こころあそびの記

日常に小さな感動を

サイコロきっぷ

 

 三連休の中日。

 天気予報は曇りから雨。それにも負けず弾丸ツアーを決行することに。御神燈の灯りに見送られて、始発列車で出発しました。

 娘家族が誘ってくれたこの旅は、JRが先月売り出したお得なツアー企画「サイコロきっぷ」を利用したものです。

 ご存知かと思いますが、行き先指定の往復券がお安く買えるとあって、人気があるそうです。

 行き先は7箇所ありまして、どこが当たるかは、運次第です。

 我が家は、「餘部」が当たりました。

 当初、指定席を買いにいった家人から、「むりやわ。売り切れや」と連絡が入ったのですが、そこは強行突破。特急は諦めて、鈍行の旅を楽しむことにしたのです。

 

 

 餘部は何度か来ています。

 高い橋脚が観光名所でもありましたのに、昭和61年12月28日の大事故により二度とあの美しい姿を見ることはなくなりました。

 昔の橋の記録が小さな看板に収まっていました。

 着工 明治42年12月16日

 竣工 明治45年1月13日

 二年二ヶ月の工事期間とはいえ、その前後のご苦労がしのばれます。

 設計者の古川晴一さんだけでなく、その頃の人々にあった明治の気骨が聞こえてきそうです。

 なんといっても、言葉の通じない外国人に教えを乞わなくてはならないのです。身ぶり手ぶりで難局を突破したのは、なんとしてもこの橋を懸けよう、という気概だけではなかったように思えます。

 明治の日本近代化は彼らに支えられて実現した。そのことを、この新しいコンクリート製の橋と見比べながら感じ入ったことでした。

 

 途中、こんな列車も見ました。

 これからの列車は、単なる移動手段として乗るだけではなく、乗ることで楽しめる付加価値が必要になってきます。

 若い人のアイデアしだいで如何ようにも膨らむことを楽しみにしている、乗り鉄婆ちゃんです。

 

 

 この「サイコロきっぷ」は、途中下車が一度だけ可能です。餘部行きの指定下車駅は「城崎」でした。

 駅前の人通りは少なくはなかったのですが、コロナの二年間は閑古鳥が鳴いたことを思うと、安堵できる程よい活気がありました。

 

 

 外湯に入り、美味しい海鮮チラシをいただいて城崎を後に、帰りは特急で帰ってまいりました。

 

 

 たった一日の旅でしたが、いろいろと思うところを増やしてくれました。

 頭と心の体操は旅に勝るものはありません。プラス、駅の階段の上り下りで足も鍛えられますしね。