月齢は18。これからしばらくの間、朝の空に下弦の月が細く浮かび上がって見えます。
東の野に炎の立つ見えて
かへり見すれば月傾ぶきぬ
人麻呂が詠んだのは厳冬の奈良県宇陀郡阿騎野でといわれています。
厳冬を待たずとも、ひと月に数日しかないチャンスですから、早起きして東の曙と細い月を鑑賞するのも乙なお楽しみです。
「おかえりなさい!」と、心の中で叫んでしまいました。この秋、初めて、カモのつがいを見ました。来た来た。冬鳥の季節がやってきました。
友人から『You raise me up』という歌が超訳とともに送られて来ました。
2002年リリースのこの曲。聴いたことがあるように思ったのは、この歌が「ダニーボーイ」や「哀しみのソレアード」といったアイルランド民謡と似ているせいでした。
ひとりぼっちで落ち込んだとき
あなたがそばに居てくれるから
さびしさも苦しみも乗り越えられる
あなたの支えで私は強く生きていく
ここでいう「あなた」は何ものと考えますか?
孤独に苛まれて、雑踏をひとりぼっちで歩いていたとき、ふと耳にした音楽。
自信をなくしたとき、涙の向こうに滲む自然の景色。
応援してくれるものは、身の回りに溢れているけれど、身を堅くしていたら目にも心にも入ってきません。
だから、心はいつもオープン!
先日亡くなられた、稲盛和夫さんが『心』という本の巻頭に書かれているのは、「引き寄せの法則」です。
長い人生を振り返るとき、残しておきたい言葉は「心がすべてを決めている」ということです。
自分の心が呼ばないものはない。すべては、心が作り出している。(稲盛和夫)
『You raise me up』を贈ってくれた友人は、私のはるか先を行く人です。
今の私には、彼女の思いを受け止めるだけの度量はなくて、彼女にとっての「you」になるには力不足です。
それでも、この歌を何度も聴いていると、彼女が贈ってあげたいと思って下さった気持ちが迫ってくる心地がします。
「You raise me up to more than I can be」♪
あなたと共に大切に生きていきたい。
ありがとう。