秋たけなわの頃のことを「高秋(こうしゅう)」といい、杜甫が愛用した言葉だそうです。
お弁当を作り終わって外に出て、ぐるっと空を見渡します。天頂に細い月を見つけたら今日もいい日になりそうな予感。私だけの月占いです。
でももうお終い。しばらくは逢えない朝の月です。
爽やかな空気と川沿いの自然の変化を期待して、徒歩で仕事に出発しました。
市営住宅のどなたかがお世話されている花壇に、「ホトトギス」が咲いていました。
むかし、勝手口の脇のちょっと日当たりの悪いところに、お茶の先生から譲り受けたお茶花を植えていたことがありました。
あらためて調べてみたら、日本の固有種はホトトギス全体の半数にも上り、わが国はホトトギス王国だそうです。
名前の由来は、鳥のホトトギスの胸の斑点模様と似た花弁の模様にあるそうです。
写真を撮っていたら、通りがかりの女性が「あの、この花はなんていう名前ですか?」と尋ねてこられました。
良かった。お一人に名前を覚えてもらえたよ。「ホトトギス」が喜んでくれたかも。ちょっとうれしい朝でした。
中国ドラマ『コウラン伝』62話をようやく見終わりました。おすすめできるほどの作品ではありませんでしたが、秦の始皇帝を育てた女性とは、どんな人だったのだろう、という好奇心から見始めた作品です。
中国紀元前という時代にこれほど豊富に題材があることに驚きます。もちろん脚色されていることは了解していますが、登場人物名は史実のままです。
作っても作っても、まだまだ作れそうなところが彼の国の強味です。
歴史考証が完全でない部分もあって、ほんとの通の方にはお目だるいらしいですが、そこは、素人の私ですから、騙されまくって見ているわけです。
映画『キングダム』で吉沢亮くんが演じた嬴政(えいせい)は、美しくて品格ある王様でしたが、こちらの嬴政は粗暴な感じです。
どちらが本物に近いかは、素人には分かりませんが、焚書坑儒などから推測すれば、中国ドラマの嬴政に近いかもしれません。
ヒロインである「李皓鑭(りこうらん)」が、気の強い女性として描かれていたことからして、嬴政が気弱でお上品とは考えにくいところです。
ところで、始皇帝は中国統一してから、たった11年で旅先で病に倒れて亡くなります。50歳でした。
秦国は急いで民心をまとめあげるために、法の力を駆使しました。
決まり事があって、それをみんなで守れば世の中は一見、落ち着いたように見えます。その実、民心はざわついて安寧を享受できません。
今も昔も、治めがたきは人心です。
カリスマ性やオーラを纏い、超美しくてスター性があって憧れの的。
何もしてくれないけれど、見てるだけで心癒される政治家ってどうでしょう。
『荘子』に出てくる理想の指導者は、無為の人。指図を嫌い、自由に生きたいのが人間であることを理解している徳のある人物。どこかに居ませんか?