こころあそびの記

日常に小さな感動を

バードウォッチング

 

 近頃のスマホ内蔵カメラは、新発売のたびにバージョンアップして、高い性能を保持するようになりました。

 それでも、川の底に居る鴨の種類の特徴を判別しようとするには、限界があります。高額商品を買ってカメラ婆さんになるか、諦めようかと迷っていました。

 ところが、娘の方から「あれ使ったらいいやん」と提案があったのは、父が残したカメラです。

 私の子供のうちで、一番早く結婚したのが末娘でした。だから、父にとって、娘家族の存在は、人生最後の日々を楽しく飾るものでした。

 その頃まだ元気だった私には分からなかった父の孤独。三人目の孫を抱こうとして力が及ばなかったときの父の落胆。

 忍び寄る老いと闘いながら、娘家族に夢を見させてもらっていたようです。一緒に旅行や食事に行ったりして、最晩年を楽しく過ごせたのは、この家族あってのことでした。

 

 そんな家族を撮影するために、一眼レフカメラを購入するところまでは良かったのですが、カメラを使いこなすには、年をとりすぎていました。

 そんなことで、その後、娘家族の運動会専門カメラになってしまっていたのです。

 

 

 曰く付きカメラですが、今日、初めて近くの池に飛来している鴨たちのお試し撮影に行ってきました。

 鳥たちの遊ぶ様子や、水に潜って水草を咥えて浮上するところは、何度見ても見飽きません。

 

 

 

 オオバンキンクロハジロが見られたのも、今日の収穫でした。

 

 

 オオバンは鴨ではありません。特徴は鳩みたいに、グッグッと首を前に突き出して泳ぐことです。さらに、今日発見した目印は性格です。

 この子はお茶目です。平気で独りで他の群れに入ったり出たり、気の向くままにスイスイ泳ぐ自由さに思わず笑ってしまいました。

 

 

 

 ところで、随分前から「日本野鳥の会」のメール会員に入っています。昨日届いたお知らせでは、森林を守る取り組みが功を奏して、ここを住処とする夏鳥は増えたけれど、私たちの身近に住むスズメやツバメは農薬などの影響で減少傾向が続いているといいます。

 SDGsの一項目、生物の多様性の保全活動は、鳥たちの観察が役に立っていることを知りました。

 

 

 撮影の帰りに、図書館に寄って、鳥の本を借りてきました。

 こんなことになるはずではなかったのに、いつの間やら、バードウォッチングにはまっています。

 魚釣りとか、山歩きとか。人それぞれにたくさんの選択肢から何かと出会います。

 宝塚にはまった経験者としては、近頃、何か心に燃えるものがなくてさみしさを感じていました。

 「嵐」にはまった同い年の友人を見て、羨ましくて、私もアイドル探そうかなと考えたりしたこともありました。

 しかし、与えられたアイドルは冬鳥でした。しかも、カメラマンの夢付きで。

 応援する何かがあることは、最高の健康法だと思います。

 池の周りに集まってくるおじさんたちのお元気なこと。寒さなんてなんのその。

 この冬はバードでハートを温めて過ごせそうです。