「君が行く新たな道を照らすよう
千億の星に頼んでおいた」
今朝の「舞いあがれ!」に登場した歌です。
どれくらいたくさんの人の胸に届いたことでしょう。この歌だけで、これから幾日も心温かく過ごせそうに思えたことでした。
早朝。夜明け前の空は漆黒で、春の放物線を、なんとかの一つ覚えみたいに見上げていたら、人工衛星が北の方に移動しているところでした。
思えば、今朝はあの阪神大震災から28年目。あの日の恐ろしげな鮮紅色の雲は見当たらず、どこまでも静かな朝を迎えられたことに胸をなで下ろしたのは空を見上げたすべての人の思いだったのではないでしょうか。
ドラマの中で「星って千億もあるの?」というセリフがありましたが、もっともっとあると思います。
そして、広い宇宙のどこかにあの人の星があって、ずっと地上を見守ってくれていると素直に思えたら、心つよく生きられます。
ところで、只今の夜明け前の空は北斗七星が手に取るように柄を伸ばし、いつか北極星になるといわれるベガは北東の空に上がっています。
さらに一時間ほど経つと、薄明が始まります。
下弦の月は痩せているものの、この時刻になると、がぜん輝きを増します。太陽が近づいてきたことを知らせるようにキラキラします。
太陽の光が月に当たって、それから私に向かって放射されているんだ。
こんなちっぽけな自分に、宇宙からの贈り物が届けられていることを、この上なくありがたく思って、思わず手を合わしてしまいました。
そして、部屋に戻ったら、あの短歌です。
すべては連動している。それに気づく日もあれば、見過ごす日もあります。気づく日は誰かに気づかされている日なのかもしれません。
あの貴司からの葉書、よかったですね。
若かった頃、「よっ!」とだけ認められた葉書を受け取った日のことを甘酸っぱく思い出しました。