こころあそびの記

日常に小さな感動を

「花梨の会」誕生!

 

 今日は七十二候「雨水」です。

 暦どおりの雨。しかも、万物をあたたかく潤す春雨です。

 散歩しながら、ついつい春を探してしまう。そんな季節になりました。

 

 

 新しい看板名が決まりました。

 十年前、この会の発足にあたり、一緒に運営してくださるお友達と新大阪ホテルで食事をしていたときのこと。「杏仁豆腐」があまりに美味しくて、会の名前を「杏☆漢方セミナー」と決定しまいた。

 なんと単純な(笑)。

 この度、長年、使わせていただいた”杏(あんず)“にお別れして、再出発することにしました。

 漢方だけにとどまらず、もっと自由に、今日のからだと心に思いを寄せたいという気持ちが強くなったからです。

 

 コアメンバーに集合いただいて相談することにしました。

 例のKさんが「30年ものの花梨酒」を持参くださり、楽しい昔話に花が咲きました。

 中でも、散歩の途中、どこかのお庭に実っている花梨を見つけるたびに、そのお家に突撃訪問して、見せてもらったというお話には一同びっくり。

 だれにでもできる話ではなくて、Kさんだからできる武勇談です。

 なぜ、彼にはできるのか。それは、彼に会いにきてくだされば、ご納得いただけるかと存じます。

 

 ということで、彼に「新しい名前は何がいいでしょう」と訊いてみましたら、

 「そやね。今、思いつくのは『花梨』やね」。

 即決即断、『花梨の会』に決定したというわけです。

 

 

 箕面市民病院の正門脇に、花梨が植わっています。

 写真は去年の5月頃の、まだ青い実です。

 あらためて、花梨のさまざまを調べてみましたら、”杏“に負けない効用があることがわかりました。

 

 花梨。「木瓜(モッカ)」

 性味=酸、温

 帰経=肝、脾

 酸っぱい味は肝に入り、筋肉の痙攣をおさめてくれます。汎用される芍薬甘草湯と同じですね。

 また、温と香で、潤しつつ余分な湿を取ってくれる働きもあります。

 

 一般には、咳止めやのどの痛みに使われますが、生のままでは食べられませんので、ジャム、砂糖漬け、果実酒として利用されています。

 

 

 幼稚な疑問ですが、花梨を見かけるたびに、どうしてあんなに大きいのに、重力に逆らって、横向きや斜め向きでぶら下がっているんだろうと不思議でなりません。

 花言葉の「豊麗」「優雅」は、あのたくましさに似合わないように思います。

 それは、きっと、香りの印象ではないでしょうか。果実酒の蓋をあけただけで、三十年前とは思えない香りが立ち上ってきました。

 花梨に倣って、色は褪せても香りを残せる人生でありたいものです。

 

 今日から「花梨」と共に歩きます。

 どうぞ、よろしくお願いします。