こころあそびの記

日常に小さな感動を

吉高由里子さん

 

 一年ほど前、テレヒドラマ『最愛』が高視聴率という噂を聞いていました。

 それは、吉高由里子さんの演技力に由来するとも。

 しかし、当時は、働いていたこともあり、夜分にテレビを観る元気がありませんでした。

 では、2014年の朝ドラ『花子とアン』はどうなのと訊かれたら、それもパスする日が多かったように思います。

 『赤毛のアン』のファンでしたから、スタートすると決定したときは嬉しかった。

 でも、回を重ねていくにつれて白蓮さんの存在感が増してきて、あのドラマで吉高由里子さんをちゃんと見ることはありませんでした。

 

 

 その彼女を今期のテレヒドラマ『星降る夜に』で、ようやく、こんな女優さんなんだと確認することができました。

 脚本は大石静さんのオリジナルです。

 来年のNHK大河ドラマ『光る君へ』のヒロインに決まっている吉高由里子さんと、ラブストーリーの書き手として名を馳せる大石静さんが、大河の前にタッグを組んで作り上げる作品です。

 面白くないわけないですよね。

 耳の聞こえない青年との交流で、 ヒロインの閉ざされた心が開き、自由な魂を取り戻していくストーリーです。

 「人は恋で生まれ変わることができる」。

 大石さんは、「このドラマが提示する新しい価値観が国境を越えて世界中の方に届くことを願って・・」と書かれています。

 一視聴者として、その願いを毎回、受け取っています。生と死の境目に星が輝くことを陰テーマにされているところが素敵です。

 毎日、いろんなことがあるけれど、私たちは永遠に純粋な心の持ち主であることを確認しながら観ています。

 

 ジャニさんも宝塚も、テストの時、応募者が部屋に入ってきた瞬間に、「この子、いける!」と分かるという話は有名ですが、大石さんもその勘をお持ちのようです。

 佐々木蔵之介さん(オードリー)、堺雅人さん(オードリー)、長谷川博己さん(セカンドバージン)。みんなみんな素質は一目見たときに分かったとおっしゃっています。

 

 

 さて、来年は吉高由里子さんの華やかな十二単姿が拝見できるのですね。

 紫式部は内向的な女性だったなどといわれますが、強い自分がないと『源氏物語』など書けるはずがありません。

 

 大石静さんは吉高由里子さんのことを、こう語られています。

 「彼女は美貌で華やかなだけでなく、孤独な心を胸にしみるリアリズムで表現できる稀有な女優さんです」と。

 そこまでいわれる吉高さんと大石さんが、紫式部をどのように蘇らせてくださるのか、今から楽しみにしています。