「あなたの頭の上には、いつも太陽が輝いている」。
なんてどこか宗教的ですが、たまたま見上げた空にぽっかり穴が開いて雲の奥に青空が見え、しかも太陽の光が漏れる一瞬。
そんな貴重な遭遇は、自分を奮い立たせてくれるものです。
とくに、今日は山のほうが真っ白でした。霞ではなくてアレだったようです。そんな厄介な気持ちを、一瞬にして吹き払う力のある天でした。
『荘子』講義の日でした。
今日は、「再生」のお話からです。
中学の恩師に「遷治」というお名前の方があって、「ええ名前やない」とぼやいておられたのをずっと記憶していました。ですので、今日のお題は、ちょっと興味深く聴きました。
ニンベンの「僊」という字は、「死者の頭を前後の人が両手で輿にして他に遷す意」と、白川先生の『字通』に書かれています。
僊人(せんにん)は山に住むので同音の「仙」も使われるようになったそうです。
仙人とは、死者が再生して超能力を持ち、空も飛べるようになった人のことです。
これは、臨死体験をして、生き返ったという話とは違うようてす。
臨死体験は一時ブームになりました。実際に経験談を聞くと、その場をなんとなく想像できてしまいそうに思える、現実のお話です。
しかし、仙人は違います。完全に死んでから、仙人として、復活再生する人のことです。
古代の人が何故、仙人に憧れを持ったのか。私には分かりません。
巷では、人生を「もう一度やり直したい」という人と、「いやや、もういっぺんはないわ」という人の二種類があります。私は絶対に後者です。
なのに、仙人に生まれ変わりたいなんて・・
空を飛べなくてもいいから、生きてるうちにやりたいこと、できることが全うできたら十分だと思っています。
つまりは、今を生きる、です。
ということは、老年には老年の養生法があるはずだから、それを探したいと思うわけです。そして、それは、古代人の生き方の中にヒントが満載であると思っています。