雨に濡れて蕾が開いていきます。この分では、連休前に開花しそうな勢いです。
今年は季節の歩みが早いなぁ。
毎年のように繰り返される言葉は、自然のせい?年のせい?
朝刊の「日台をつなぐ絆」という記事の一行に目が止まりました。
それは、「台北師範学校」の卒業生が、91才の今でも当時の校歌を朗々と歌い上げることができる、というところでした。
実は、私も中学校や高校の校歌は覚えてないのに、小学校の校歌は、今も歌える一人です。
なぜでしょう。昔は、校歌を練習する回数が多かったからでしょうか。
それとも、六年間も歌ったからでしょうか。
歌詞の意味を全く知らずに歌っていたのにどこか懐かしいのです。
「咲くやこの花 難波津の
春ベは今とこの庭に
いやさかえ いやまして (・・)
国のもといと さかえなん」
小学生に解説しても分からんだろうと思われてか、先生から意味を聞いた覚えはありません。
それでも、美しいさや格調を子ども心に感じて、それこそ、誇りをもって歌っていたように思います。
それもそのはず、百済から渡来した王仁博士が、仁徳天皇の即位を慶祝して奉った歌から採られたものだったのです。
「難波津に 咲くやこの花
冬ごもり
今は春ベと咲くやこの花」
この歌は奈良時代にはすでに手習いに使われていたといわれます。また、現在は百人一首のかるた大会の序歌としても有名です。
そんな謂われがあるなら、大切にしたい校歌だと思うのですが、ネットで失念している部分(・・)を探しても出てこないのです。
想像するに、時代に合わないと葬られ、新しいものに差し替えられたのではないでしょうか。
そういえば、高校野球で流れる校歌も、ほとんどが故郷の自然を読み込んだ歌詞になっています。
郷土愛は大切です。それは、分かるのですが、歴史も同じくらい大切にしてほしい。
葬ることばかり考えてきた日本の歴史が、今、転換点を迎えていることを知ってか知らずか。
昔の校歌を今も歌えますか?