こころあそびの記

日常に小さな感動を

入伏

 

  昨日の昼下がり、雷鳴と稲光を伴って激しい雨が降りました。

 大阪府の雨雲レーダーで、府下全域がこんなに真っ赤になったことは今までになかったことでした。

 みるみるうちに、屋根に降った雨は樋から溢れ、道路は水浸し。

 この状態に長時間にわたって曝されておられる九州の人々の恐怖を想ったことです。

 どうか、竜王様、雨を止めて下さいと祈るしかありませんでした。

 さて、昔から「雷が鳴ったら梅雨明け」と云われます。雷がこの季節だけに鳴るわけでもないので、これは、人々の願いがこもった俗説なのかもしれません。

 ですが、梅雨前線に吹き込む暑い湿った空気の勢いが、最後の力を振り絞っていることは、なんとなく了解できます。いずれにしても、前線が消える日がそこまで来ていることは確かです。

 

 

 「今日は入伏です」と季節を教えてくださる友があることに感謝です。

 これから1ヶ月近くが、一年で最も暑い時期として暦に記されています。

 

 本日の干支は「庚午」(かのえうし)。

 庚は金、午は火ですから、陰陽五行では、火剋金の日ということになります。金は火に溶かされることから、暑い日の分かりやすい戒めとなります。

 

 夏至から数えて三番目の庚が本日の初伏、四番目の庚を中伏、立秋の次にくる庚が末伏。これらを「三伏」といって、行動を控える日とされています。

 昔は、三伏と名のついたお灸なども施されたようですが、現在では、お灸自体、施術してくれるところがなくなりました。

 匂いが、近隣に嫌がられるとのこと。あのヨモギの匂いがいいのに残念なことです。

 

 

 東洋医学では、「冬病夏治」という言葉があります。

 その意味は、風邪など冬にかかりやすい病気を夏に予防治療することです。

 私が子供の頃は、こう見えても虚弱でしたから、真っ黒に焼いたものです。その焼け具合を品定めするのを喜ぶ両親でした。

 今、そんなことしたら大変です。

 大気が通す紫外線量が多くなってしまったのでしょう。火傷状態で皮膚科に駆け込む人が増えました。

 朝から日が沈むまで、昼寝をはさんで海に入りづめで過ごした夏休みが懐かしいことです。

 

 

 夏が始まります。

 昔はなかった熱中症警戒アラートが毎日のように出されて、生活に制限がかかります。

 朝夕、暑さを避けて体を動かしましょう。「活動すること」。それが、夏の基本的な養生です。