こころあそびの記

日常に小さな感動を

あみだくじ

 

 しばらくお休みだった野畑図書館。早くみんな来ないかなぁと百日紅が人待ち顔でひっそり咲いていました。

 守衛さんが、21日オープンと教えてくださいました。

 サルスベリも一気に咲き誇ることでしょう。

 

 

 消えそうで消えない梅雨前線は東北まで駆け上っている由。

 明日から厳しい暑さになるそうです。予防策は無理をしないことしかありません。

 

 

 さて、本日、「第5回花梨の会」を開きました。

 暑いから、皆さんいらっしゃるかなという心配もどこへやら。この上なく楽しい時間を笑顔で過ごすことができました。

 ありがとうございました。

 

 今日は以前から頼まれていた「夢」という字の解説からです。

 と申しましても、師匠に習ったことを皆様にお伝えするだけしかできませんが。

 夢という字の甲骨文字は、目に入れ墨した巫女が就寝中の人の横に立っている形。夢とは呪霊がなせるわざと、白川静さんの『字通』に載っています。

 大昔は当然、字というものはなかったわけで、出現した一番の理由は、占うために必要に迫られたのかもしれません。

 古代の王様が呪術を頼ったことは、亀の甲羅を焼いて割れ方から占った跡が出土していることから推測できます。

 

 

 と、そこで、いつもの物知りKさんのお話が始まりました。

 「ちょっといいですか?」

 「どうぞどうぞ」

 みんな待ってましたの、Kさん劇場の始まりです。

 

 「あみだ池大黒の本店の近くに、和光寺というお寺があります。

 このお寺は格式高く住職は尼僧です。

 若かりし頃、このお寺にピンポーンと呼び鈴を押して、お訊ねにいったことがあります。」

 

 何を訊きにいかれたかと、ワクワクして待ちました。

 

「すみません。あみだくじはこのお寺が発祥ですか?と訊いたら、そうだと応えられました」

 

 すごくないですか?

 Kさんの行動力と好奇心に恩恵を頂戴する花梨の会です。

 お話の続きは。

 傾きかけたお寺をどうしたものかと、住職さんが境内にあるあみだ池を覗き込んで考えていたら、ふと、思いついたそうです。

 亀が甲羅干しをしている様子から、あみだくじを思いついたといいます。

 嘘みたいなホントの話。

 お寺で、あみだくじを開催したところ、大人気。お寺はすっかり盛り返したそうです。

 

 私たちが今、折りに触れ、使うあみだくじは、大阪発祥だったのです。

 

 ちなみに、仏教伝来と共に百済からもたらされた日本最古の仏像である阿弥陀如来像を、神道派の物部氏が投げ込んだのが、この池だといわれます。

 そして、その阿弥陀様を信濃国司の本田善光が拾い上げて、長野善光寺の本尊としたそうです。

 現在の和光寺の本尊は、その長野の善光寺秘仏阿弥陀三尊像をうつしたものです。

 

 一つのことから、次々に紐解けることは、学ぶことの楽しさです。

 今回も、甲骨文字から、Kさんのお話に飛び、それが日本書紀にまで遡ることができました。

 すべては、Kさんの蓄積された博識のおかげです。

 あぁ、楽しかった。

 そういう時間を持てることが、最高の健康法に間違いありません。

 暑さを、熱い笑いでぶっ飛ばしましょう。

 

 

 一つ疑問が残りました。

 

 Kさんのお話に、和光寺には、「大黒さんの日」があって、大勢が列をなしたとありました。

 ですが、現在、公開されている情報に見あたりません。

 お菓子屋さんも「あみだ池大黒」と、大黒を名称に使っておられますから、そんな日があったことは確かだと思います。

 これは、宿題です。

 Kさんのピンポーンに負けず、電話攻勢で調べてみたいと思います。