こころあそびの記

日常に小さな感動を

心は旅にあり

 

 今朝の『こころ旅』は、弥彦山から始まりました。

 わたしの心の風景でもある弥彦山

 ケーブルカーの山頂駅から見える日本海には、あの日と同じように佐渡島が浮かんでいました。

 そうそう。新潟から臨む日本海は北陸からのそれとは違う大きさがあったことに、少なからず感動を覚えたものです。

 

 それから、弥彦山から見た越後平野の広かったこと。穀倉地帯という暗記だけではもったいない広大さです。

 そんなことから、去年の春、頑張った弥彦山登山を思い出しました。 

 山肌にカタクリの群生。それは、ご褒美以外の何ものでもなくて、二度と行けないであろう旅に思いを馳せたことでした。

 

 

 ところで、弥彦から新潟市に向かう途中に岩室温泉があります。電車では行きにくい場所ですが、それだけに静かな温泉地です。

 先日、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第4局が、この岩室温泉「高志の宿 高島屋」にて行われたのは報道でご存知だと思います。

 もう、二十年も前、娘の家族が富山に赴任していたころ、富山から息子の住む仙台までドライブしたことがありました。

 途中、岩室温泉に一泊しました。

 何もかも、忘れたのですが、朝ご飯のシーンだけはよく覚えています。

 黒い板敷きの大広間。

 炊きたてご飯の美味しかったこと。

 あれは、高島屋さんだったかどうかは、記憶にありません。いずれにしても、今なら、泊まれなかった高級お宿です。

 

 ちなみに、弥彦の西側に良寛さんが住まわれていた国上があります。

 ですから、このあたりは良寛さんの足跡の残るところです。

 「高島屋」さんにも良寛さんがいらした痕跡があるそうですが、わたしの記憶では、新潟から福島方面に磐越西線で数駅行った咲花温泉にも、良寛さんの晩年を支えた貞信尼さんとの往復書簡が飾られていたような。

 新潟は良寛さんの故郷。いつか彼の足跡を辿る旅もしてみたいと想っています。

 

 

 さて、話を岩室の宿にもどしまして。

 きっちり四連覇を果たした藤井聡太さんは、翌朝、『雲外蒼天』と揮毫されたと新聞に載っていました。

 「努力して試練を乗り越えた先に未来が開ける」という意味だそうです。

 一流の方の努力がいかほどの厳しさを伴うものか、想像もつきません。

 凡人のわたしは、雲を突き抜けた天上には青空が広がっている。そこに、希望や憧れの世界を夢見るだけです。

 

 

 新潟もいいなぁ。そう思っていたら、なんと、岡山から『同窓会のお知らせ』が舞い込みました。

 大学の同窓会は二年に一回、順調に開催されてきましたのに、コロナによって、停止せざるを得なくなって早や四年。

 あっという間に、みんな古稀を越えてしまいました。

 なのに、岡山在住の持ち回り幹事が忘れもせずに、開催の決断をした。なんという責任感でしょう。そのことに、わたしは感激したのです。

 岡山に行ける。

 ついでに、どこを巡ろうか、どんな旅程にしようかと、しばらくは楽しめそうです。