朝夕の蝉時雨が勢いを増してきました。
お昼間は、さすがの蝉くんたちも降参なのか木の枝に並んでお昼寝中?まさか、それはないとは思いますが、炎暑が続いています。ご自愛下さい。
「杏☆漢方セミナー」をスタートさせて十年以上経ちました。
設立に尽力してくれた共同代表の方から、豊中市市民公益活動団体を続けるかどうか、市から打診があったと連絡がありました。
当時に届け出た開設書類に、活動の目的という項目がありました。
「中医学をベースに生活に役立つ情報をお伝えし、地域のみなさまの健康増進に寄与することを目的とする」。
なんて、生意気なこと書いたもんでしょう。
なるほど、西洋医学優先の世の中に反骨して、健康の考え方はそれだけじゃない。中医学だってあることを紹介したい気持ちがありました。
「身体の声を聴く手がかり」が、漢方の考え方にあることも、お伝えしてきました。
あれから、十年。
ということは、私も十歳年をとりました。
説明の仕方が稚拙なために、十分ではありませんが、中医学の考え方もお伝えしてきました。
そして、今、思うことは、昔聞いた堀美智子さんの言葉です。
「薬剤師の仕事は、年齢ごとに違ってきます。生涯薬剤師を目指しましょう」。
若いときには、若さ溢れるアドバイスがものを言います。
中年の働き盛りには、医療ケアもおすすめです。
ところが、老人は、経験から導き出した生き方が一人一人違います。たとえ、頑固者と云われようと、その年にならないと分からない生き方もあるのです。それは、誰も否定できません。
ただ、この年まで、たくさんの人にお目にかかって分かったことは、健やかな毎日に欠かせないのは、巷間に囁かれる健康法ではなく、生き方だということです。
朗らかな方は、概して健康です。
ですから、十年を経過した「杏☆漢方セミナー」は、漢方という枠に縛られることなく、自由に楽しく生きておられる方々のお話を伺う会、「花梨の会」と名称を変更して再始動いたしました。
老年期の健康とは何だろうということです。
それは、子供時代からのすべての記憶が覚えている幸せ感です。そこが、ポイントです。
自分の身体は、一日二十四時間、自分の力で不具合を治そうとしていることを、学校では教えません。
本当に大切なのは、そのことなのに。
しかし、年をとればとるほどその有り難さを理解できるようになってきます。
心にも、具合の悪い箇所にも、最も効き目があるのは日にち薬です。
毎日よく頑張ってくれていることに感謝して過ごせば、身体は喜んで働いてくれるはずだと、思っています。