こころあそびの記

日常に小さな感動を

生きる幸せ

 

 我が家の百日紅。ついに今夏初の一枝目が咲きました。

 ここから、秋が終わる頃まで猛暑に耐えて、次々に咲きます。咲き終わる頃には、秋が深まっていることでしょう。

 

 

 美容院から戻る途中のカーラジオから、「ミノオ」という音が聞こえてきたような気がしました。

 「そんなはずないよ」と、耳を澄ましましたら高校野球大阪大会の準決勝出場チームが、箕面学園だったのです。

 地元チームが高校野球に出場するなんて。しかも、大阪桐蔭相手の準決勝まで勝ち上がっていたなんて。

 こういうときは、日頃感じることのない地元愛が沸き上がってきます。最後まで、応援しましたが、さよなら負けを喫して泣き崩れる選手の涙に、胸の痛む思いがしたことです。

 

 

 近頃、わけのわからない事件が世間を騒がせます。

 大方の人にとって、そんなもやもやを吹っ飛ばしてくれるのが、大谷選手の活躍です。

 27日もダブルヘッダーの第一試合で、1安打完封勝利を、続く第二試合では、37号、38号の2本のホームランを放ちました。

 とても人間技とは思えないことを成し遂げてくれる日本産の世界のヒーローです。

 

 春先のWBCのときのことを思い出すだけで、ワクワクしてきて、思わず声援を送ったことや、知らない人とハイタッチをした思い出を持つ人がいらっしゃるのではないでしょうか。

 喜びの渦中で、何のために生きるか、なんて考えないものです。

 夢中になれる何かに出会うことこそ人生の醍醐味であると、誰かが書いておられました。

 

 同じことを、今朝の産経抄も言葉を変えて書いていました。

 「美味しいビール片手に、大谷選手の史上初の偉業達成を観戦できる。

 この時代に生きる幸せを味わいたい」と。

 

 

 高校野球のシーズンがやってきます。炎天下、砂埃の舞うグラウンドで若人が走りまわる姿が見られることは、幸せです。コロナ禍がその思いを強くしてくれました。

 四年前まで、沖縄興南高校野球部の一員だった宮城君。

 大好きな食べ物がイチゴだった少年が、プロ入りしてどう変わっていくのだろうと、いらぬ心配が横切ります。

 太田裕美さんの大ヒット曲『木綿のハンカチーフ』が、なぜロングランで生き残っているのか。

 それは、松本隆さんの歌詞が、万人の経験を歌っているからです。

 「都会の絵の具に染まらないで」。

 純朴な青年が、都会の階段を上っていく。それを見送ることは、うれしい反面、一抹のさびしさがあります。

 どんなことがあっても、めげずにがんばってほしい。複雑なファン心理です。

 憧れの大谷選手が、多くの人に元気を与えているように、宮城君からもっともっと喜びをもらえる日を心待ちにしている欲張り婆さんです。