こころあそびの記

日常に小さな感動を

西江寺展望台から

 

 

 アフリカ原産のルリマツリ

 このパステルブルーが、故郷の人をどれほど癒したことでしょう。そして、移住先のこの国の夏でも元気を振り撒いてくれて、ありがとう。

 

 

 突然ですが、”船が見たい“と思いました。

 山陽本線に乗って、というのは億劫で・・そうだ!あそこに行ってみようと、思いついて箕面西江寺展望台を目指すことにしました。

 お伴は双眼鏡です。これさえあれば、遠くの船も手に取るように見えるのです。

 

 

 ニュースは、不用の外出は避けましょうを連呼しているわりに、多くのハイカーと行き違いました。

 家の中のクーラー暮らしより、外の風に吹かれるほうを選ぶ健康な方ばかりです。

 

 

 去年の秋に教わった“ウチワカエデ”。紅葉の準備中です。今年も、あの写真家さんにお目にかかれるかな。

 

 

 箕面山は658年(飛鳥時代)に、役行者が開山した霊場です。

 このお寺は、日本最初の大聖歓喜天が出現したと伝わります。

 役行者歓喜天の化身が対談したとされる対談石の上に伸びた木は二股になっていて、夫婦和合をあらわすとも云われるようです。

 

 

 歓喜天の裏から山道に入ると、早速、大阪平野が見えてきます。

 この高さではまだ、船は見えません。

 

 

 木漏れ日が描く模様が好きです。誰もいない山道で蝉の声だけが聞こえるはずが、今日は違いました。

 向かいの山にあるスパーガーデンのプールから歓声が反響してきます。楽しい夏休みのおすそ分けをいただきながら歩かせてもらいました。

 

 

 展望台に着きました。

 早速、双眼鏡を覗きましたら、大阪湾を行き交う船はもちろんのこと、淡路島や六甲アイランド関空連絡橋も見渡せます。

 お寺から二十分ほど上がった所にある、お勧めの場所です。

 

 

 展望台の周りにたわわに柿が実っていたことにびっくり。誰か、ここで柿を食べたのでしょうか。お猿かな?

 自然は正直です。生かすべきものは生かしてくれる。そんなことに哲学の源流があるように思いました。

 

 

 「宇内静謐 万民豊楽」

 いつの時代にも変わらぬ願い事が刻まれた石柱が、お寺の階段に設えてありました。

 建立は皇紀2600年、太平洋戦争開戦の前年です。

 神様に願をかけたにもかかわらず出征していかれた願い人。

 平和が万民の願いであることは変わらないのに、どうしていつまでもかなわないんだろう。

 

 平穏な今を生きられる幸せを噛みしめながら、帰ってまいりました。