我が家の真上にひとすじの飛行機雲。
慌てて、携帯を取りに行って写真を撮ったあと、次に見上げたときには消えていました。
残るは真っ青な空ばかり。
お天気お兄さんもお姉さんも、気持ちのよい秋空が広がるでしょうと。
予報通り、その通り!
百日紅(サルスベリ)の花がついに終了して、まん丸で健康そうな実をたくさんつけました。酔芙蓉は今が盛りです。
庭の隅っこにある金木犀の枝に、ぎっしりついた小さな花が、今にも開花しそうです。
そのことを娘に、自慢げにメールしたら、「もう、香ってるやん!」といわれてしまいまして、出遅れ感が否めなく情けないことでした。
金木犀の季節が始まります。
その昔、金木犀は臭い消しのために厠の側に植えられることが多かったそうで、おかげで30年前は、消臭剤と云えばキンモクセイの香りが主流でした。
それは、丁度、娘たちが子どもの頃のこと。だから彼女は、「キンモクセイ」はトイレの消臭剤の臭いと刷り込まれてしまって、長い間、抜けないようでした。
そんな娘も、本物のキンモクセイに囲まれて生活するようになって、ようやく秋の香りを受け入れることができるようになった次第です。
中国原産の木犀。
花が白いギンモクセイ。橙色のキンモクセイ。薄い黄色のウスギモクセイ。
日本ではキンモクセイが主流です。
学名にMAKINOと付いていますから、牧野富太郎の命名です。
今もって、ドラマの余韻から抜け出せなくて、小さな花を見かける度に、博士が花を愛おしんで観察する姿を思い浮かべてしまいます。
日本に入ってきたキンモクセイは雄株ばかりだったようですが、どうしたことか、我が家には一本だけ雌株が混じっています。
花が終わった後で、紫色のブルーベリーのような実がなります。
冬場の餌のない時期に小鳥たちが困らないように、どなたかがなさっていることを、部屋の中でそっと観察させてもらう。
そんな冬が、もうじきやってきます。
私は、すでに炬燵に足をつっこんでいます。みなさまはいかがでしょう。冷やさない!それが一番大切な養生法です。生姜と葛根湯を常備して下さいね。
金木犀が香る道がある。市民が誇れる季節です。
話は突然飛びますが、『沈黙の艦隊』という映画を公開初日に観に行ってきました。
大沢たかおさん主演というところだけに惹かれて。(「アテルイ」をいつか大河で、というのがささやかな願いです)
原作漫画も知らずに行ったので、記憶に残っているのは、潜水艦に乗務するとはたいへんなことなんだということだけです。
織田邦男、元空将からの情報ですが、自衛隊の中でも、海上自衛隊の希望者は陸、空に比べて少ないそうです。
それは、一旦出航したら恋人や家族に長期間会えないこと、メールもできないことなどから、若者には不人気だそうです。
原作者のかわぐちかいじさんは、広島出身。呉港などを見ながら育ったから、こういう使命を持たれたのではないかと推察します。
それは、織田邦男さんも同じこと。
村上水軍の本拠地近くで育ち、ご親戚にパイロットが多かったことから、どうしても戦闘機に乗りたかったとおっしゃっています。
「志」は、何によって育まれるものなのか。
生まれた環境のウエートは決して小さくないことを、お二人が示しておられます。
さて、三十年前に書かれた作品が、なぜ今、映画で実写化されたのか。
わけも分からず観に行った者としては、たぶん観客動員は稼げないだろうとふんでいました。ところが、現在、大ヒットとまではいかないまでも、話題作として取り上げられることが多くなっています
その理由は、今、考えなければならないことが、この映画にあるということだと思います。
へぇ。潜水艦って聴力だけが頼りなんだと感心しているだけの私には理解の及ばない、深い深い理由があるに違いありません。
それは、すべての国民に発せられた宿題です。