こころあそびの記

日常に小さな感動を

澄み渡る朝の空

 

 寒い一日、いかがお過ごしでしたか?

 朝の気温は2度。

 老体に鞭打って、エイッと起きて散歩に行きました。

 こんな風の強い日ですから、空気が澄んでるはず。そう期待して双眼鏡を携えました。

 正解!

 アリーナから大阪湾に航行している大きなタンカーが見えたのです。

 彼方のあの真っ直ぐな線は、水平線なのか、そうでないのかとずっと思いに引っかかりがありました。

 些細なことですが、それが解決したことで、明日からは、すつきりした気持ちで足を運べそうです。

 

 

 気温2度という携帯の表示に怯えてしまって、布団から出られずにうつらうつらしてるとき、どうしたことか、細川護煕さんの「落葉松(からまつ)」の書が思い浮かびました。

 ですから、散歩から帰って早速、本棚から『ことばを旅する』(細川護煕著)を引っ張り出して開いてみました。

 癖のない素直な字体を好ましく思い、いつか真似したい書です。

 

 

 かつての武蔵野は、からまつ林だったと国木田独歩が書いていたかどうかは忘れましたが、武蔵野のイメージはからまつ林です。

 小石川にあった細川屋敷は広大で、邸内に山も谷もあったといいます。 

 そこを走り回って幼少期を過ごした少年はお殿様になっても、自然を愛する人に成長されました。

 だから、恐れ多くも彼の美しい書のファンをやめることができません。

 

 

 そして、文章も好きです。

 今日は、西郷隆盛と、良寛と白秋を抜き書きしてみました。

 一部分を写すだけでも、心が洗われるように思える素直な文章です。

 「良寛さんの人間像は、物質の溢れる狂騒の現代にあって、わたしたちの還っていくべき魂の故郷といっていい」

 細川さんがそのように感じる良寛さんの終の住処である五合庵を訪ねてみたいと、”ことばの旅“ならぬ新潟の旅に思いを馳せてしまったところが、凡人らしいことでした。

 因みに、この章の題目は、

「欲無ければ一切足り 

 求むるあれば万事休す」

です。

 明日を思い煩うことなく、今日を精いっぱい生きること。これは、今朝、散歩で出会った方の口から出たことばです。

 古今を問わず、わかっている人の生きる姿勢に変わりはないようです。すっきり生きたいものです。