こころあそびの記

日常に小さな感動を

レッドムーン

 

 昨日は大量の黄砂が飛来したため、生駒の山並みは見えないわ、大阪の街は霞んでしまうわで、飛来物の影響の恐ろしさを感じたことでした。

 

 

 米作りが終わった田んぼは掘り起こされて、もう来春を待つばかりに準備が整っています。

 そんな中でところどころ、畑仕事をされている方があります。

 ずいぶん前の9月のこと。

 畝にかけた黒いシートに穴を開けて小さな苗が植え付けられていました。

 それが、何の苗なのか。知りたくても、そこのご主人を見かけることもなく過ごしているうちに、その小さな苗はもりもり育って畑全体が緑色に見えるほどになりました。

 昨日、その畑の主が黒いシートを外しておられるところに出くわしたのは、ラッキーでした。

 土の上にたくさん転がっている収穫物の写真を撮らせてもらっていたら、ご主人が仕事の手を休めて、会話に付き合って下さいました。

 「これは何ですか?」

 「レッドムーンという種類のジャガイモです。先日の寒波で地上部分がやられてね。それで、少し早いけど掘り起こしてるんです」

 「そうなんですね。どこに出荷されるんですか?お料理やさん?」

 「萱野農協に出しますよ」

 「えっ。明日行ってみます」

 

 

 というわけで、初めて萱野農協に朝から行ってきました。そこにあるのは知っていても、敷居を跨ぐ勇気のない場所ってありますよね。

 私には、縁のなかった場所に誘ってくれたレッドムーン。

 赤いお顔なのに、黄色いお芋。

 

 

 お店の中を隈無く探索して回りました。

 箕面特産のゆずが所狭しと並んでいました。冬至のゆずはこちらに買いにくればよろしいですね。

 

 

 今日は午後から雨予報というのに、小春日和。

 家に帰り着いたものの、あまりの心地よさにしばらく庭をうろうろしていたら、惨めに伸びっぱなしのアジサイが泣いているように感じました。

 そこで暖かいうちにと、庭仕事を少しだけしました。ふと、雑草の先を見たら、大発見!

 銀木犀の実が鈴なりでした。

 こんなに緑色の実のうちに気づいたのは初めてです。いつもは、紫色の実になって落ちたものを、わんこが漁るから教えられるのに。

 「今年も生ってるよ!」と娘に言ったら、「ええっ。もう一年?」だって。

 そのコメントじゃ、どっちがおばあさんかわからないよ。

 それだけ、子育ては過酷で、目の回る日々を過ごしているということでしょう。

 何もかもから解放された今を暢気に過ごす幸せを噛みしめた午後でした。