こころあそびの記

日常に小さな感動を

猪子餅の日

 

 今朝の満月、きれいでしたね。

 真っ暗な庭に出たら、芝生の上に自分とわんこの影がありました。あんまり明るくて、起き抜けの姿を恥ずかしく思うほどでした。

 空は冬の星座、オリオンが天頂近くにあって、お月様は昴を隠すように輝いています。

 一年のうちでも、こんな賑やかな星空にお目にかかれる日は、そうはない美しい夜明け前でした。

 

 

 散歩道で、冬野菜の準備をされている方を見かけました。石灰を撒いている畑もあれば、苗を植え付けておられる方もありました。

 お米の収穫が済んだら、畑仕事。

 お百姓さんは休む暇がありません。

 

 

 タイワンフウの実が雪洞のように垂れ下がっています。

 

 

 通ったことのない道で見つけたのは、鈴なりのエゴノキの実。

 知らなかったのですが、初夏に小さな白い花が垂れ下がって咲く木らしいです。来春のお楽しみがまた一つできました。

 

 

 ところで、今日は「猪の子餅」の日です。

 旧暦をとれば、11月13日になりますが、新暦ではとりあえず本日が、亥の月、亥の日です。

 食いしん坊は13日を待ちきれないから、今日食べちゃいます。ただし、亥の刻(午後9~11時)は就寝してますので、おやつに食べることをお許しください。

 

 

 ほらね。食いしん坊のためにお団子やさんも、猪子餅を本日のお菓子として売り出しておられましたよ。

 「亥」は五行でいえば、冬であり水に当たりますから、火にうち勝つとされます。そこで、炬燵開きや炉開きは、本日行われるようになりました。

 

 Wikipediaで「猪子餅」をサーチしたら、なんと、そのいわれの中に能勢町が出てきたのには驚きました。

 その昔、神宮皇后のお子である応神天皇が、能勢町にこのお菓子を依頼したことが、献上の始まりだとか。

 そんないわれのある「猪子餅」を、庶民の分際で食べさせてもらえるなんて。この平和な時代に感謝して頂戴したことです。

 これで、また一年、無病息災で過ごせます。

 

 

 お菓子を買いにいく道にある「應化地蔵尊」の扉が開いていました。側でおばあさんが枯れ葉を掃いておられます。

 ふと、去年もこの季節だったことが思い出されました。

 そのとき、「このお世話もいつまでできることやら」とおっしゃっていたおばあさんです。お元気で一年を過ごされたことをうれしく思わずにいられませんでした。

 

 

 お菓子屋さんまで、車で来なくて良かった。歩いて来たから、お地蔵さんとおばあさんに会えました。

 足を使えば、心が満たされる。それを「満足」と云う。

 それは、京都六角田中医院の田中先生から教えてもらった健康の秘訣です。

 ささやかながら、満足した猪子餅の日でした。