こころあそびの記

日常に小さな感動を

オーバードーズ

 

 雨が近い空に東から太陽が上ってきます。

 我が家の東側に三軒のお宅があるのですが、夏の日の出は、一番左側のお宅の、そのまた北側でした。

 ところが、冬至間際の今朝は、一番右側のお宅のさらに南から上ってきたのです。

 昨日と今日は違う。空が季節の移り変わりを教えてくれています。

 

 

 ところで、最近また、オーバードーズがニュースになっています。

 今から何十年も前に、市販の咳止め薬を大量に飲む若者が増えて問題になったことがありました。その時は、販売制限などで沈静化したように記憶しています。

 それが、また、なんで今頃、再発したのでしょうか。

 麻薬取締法で検挙される人が増えていることと関係があるのでしょうか?

 服用者は自分をどうしたいのでしょうか。

 

 『孝経』の一節にこうあります。「身体髪膚之を父母に受く あえて毀傷せざるは孝の始めな り」

 

 自分の体が自分一人で完結していると考える若者が増えているのは、学校でこんなことを教えなくなって、久しいからでしょうか。

 そういう私も、こんな言葉を知ったのは、年寄りになってからのこと。

 老いも若きも、親にもらった体を健やかに使い切りたいものです。

 

 

 お薬話のついでに、近頃耳にしたオーバードーズについて。

 ドーズ(服用量)をオーバー(過ぎる)した使い方が、先ほどとはちがった意味で気になる事例を見聞きします。

 これも、薬が身近にありすぎる弊害かもしれませんが、気をつけたいところです。

 

 先ずは、風邪を早く治したいからと、手当たり次第に市販の風邪薬を何種類か混ぜて飲む方があります。

 「パブロン」と「ルル」と咳止めと、漢方も飲みました。なんて、有り得ない。

 市販の風邪薬のミックス飲みは、オーバードーズになる可能性があります。

 一度ならまだしも、1日3回何日か飲めば、副作用も考えられます。

 そして、そこに葛根湯を混ぜたとしたら、それは、薬効無視の飲み方になります。

 そもそも、葛根湯の薬効は温めて(体温を上げて)寒邪を追い出そうとする薬ですから、解熱剤(体温下げる)を含む市販風邪薬とは反対です。体の中が、どうすりゃいいの状態になっているかもしれません。

 

 そして、こんな風にめちゃくちゃ飲んでも治るのは、服用した人に、もともと元気があったから。

 早い話、風邪は寝たら治るのです。

 風邪ひいた!薬飲もう!

 ではなくて、風邪気味でぞくぞくしたら、お白湯など温かい飲み物(生姜湯)を飲んで、布団に入ることです。

 温かくして汗をかけば治ります。

 そんな簡単なことができない現代人の忙しさが、薬屋さんに走らせる原因ですね。