こころあそびの記

日常に小さな感動を

のど飴

 

 朝のマジックアワーの淡い空の色が、体と心を起こしてくれます。

 上ってくる太陽が見たくて、東に開けた高台に急ぎました。残念ながら、日の出には間に合いませんでしたが、朝日を存分に浴びて、今日一日が平和であるように念じたことです。

 

 

 鮮やかな赤い色の石榴が、塀から飛び出るほど実っていました。

 

 

 川沿いに真っ白い小花が今を盛りに咲いています。

 茎が赤いからおそばかな?

 シャクチリソバ(赤地利蕎麦)という名前は、牧野富太郎命名だそうです。

 

 

 家にかえってきたら、今週ずっと風邪気味だった娘婿が、昨晩から喉の痛みを訴えていると聞きました。

 「あの飴なめてみたら?」と、鞆の浦土産ののど飴を勧めてみたところ「のどがすぅーと通る感じがします」というので、うれしくなってしまいました。

 

 

 鞆は瀬戸内海のちょうど真ん中あたりに位置するために、紀伊水道と豊後水道の東西の潮がぶつかり合うところです。

 ですから、古来、船はここで潮待ちをしたといいます。

 古くは神話時代からです。

 万葉の歌ばかりか、室町幕府は鞆で始まり鞆で亡んだといわれ、坂本龍馬もこの町に滞在したという歴史ある場所です。

 

 

 新しいところでは、宮崎駿さんが『崖の上のポニョ』の舞台に選ばれたところとしても有名になりました。

 彼は、写真の右手に写る森のようなところに、映画の撮影時は住まわれていたそうです。

 世界的監督に気に入られるほど、風光明媚な土地でありました。

 

 ちなみに、鞆の港は、船からの荷揚げに使った階段などが江戸時代のまま残っているので、日本遺産に認定されています。

 

 

 閑話休題

 のど飴は鞆の浦の「保命酒」の製造所が作っておられます。

 保命酒の起源が、大阪の生玉神社近くの漢方医にあることにびっくり。

 長崎に生薬の買い付けに行った中村吉兵衛が、例によって潮待ちをしている間に、考案したそうです。

 今は観光地ですが、その頃は、長崎と都を結ぶ中間地点として繁盛していたことが忍ばれます。

 保命酒は漢方医が考案したというだけあって、六君子湯十全大補湯補中益気湯、四物湯、八味丸などを参考に処方したみたいです。

 なので、手に入りやすい生薬16種類が使ってあります。

 地黄、川きゅう、芍薬、タクシャ、ブクリョウ、肉桂、甘草、杏仁、葛根、丁字、砂仁、サンシュユ、山薬、ビンロウジ

 

 

 

 とくに、シナモン(桂枝、肉桂)は、これからの寒い季節には欠かせない生薬です。

 血管を広げて血行促進し、体を温める効果があります。

 何を隠そう、桂枝湯で健康管理している私ですから、その効果は実感しています。

 

 娘婿も、来週は出張です。

 なんとか、復調してほしいと願っています。