今日こそ大掃除をしようと、ぼーっとしてたら、「何時に行くの?」と声がかかりました。
「そうやった!」映画に行く約束してたっけ。
ということで、孫娘と一緒にディズニーの100周年記念作品と銘打った『WISH』を観てきました。
ディズニーのコンセプトは「夢と希望を届ける」ところにあります。しかし、今回の作品では過去に感じた希望や夢は残らなかった、とまでは云いませんが、少し残念な気がしました。
それは、私が年をとったということかもしれません。
テーマである「wish」(願い)という言葉が、うまく生かされていなかったのは、悪者との対抗劇に終始させた作りに途中で飽きてしまったからかもしれません。
そこには、心震わせるドラマがありませんでした。
それは、昨夜観た中国ドラマが濃すぎせいでもあります。
それは、毒虫に刺されて瀕死の公女を、胡人の大将が我が身を差し出して救うという、愛愛愛のシーンでした。
枯れたはずの老女の涙をどれほ溢れさせたことでしょう。
やり過ぎと笑われそうですが、心を動かされない物語に夢をみられる人はいないと思います。
胡人の公女への愛。それが作り話ではなくて、歴史に残るほどのものであったといいますから、ついつい身が入ってしまいました。
さて、ディズニー作品で一番有名な「wish」といえば、『ピノキオ』の「星に願いを」です。
”when you wish upon a star
your dreams come true♪“
ピノキオにロバの耳が生えてくるシーンや、鯨のお腹の中でゼペット爺さんと再会するところなど、子ども心をはらはらさせた作品でした。
ゼペット爺さんの願いは叶えられましたが、たとえ一生叶うことがなくても、願いがあるから人は夢をもって生きることができる。
100周年にあたって、もう一度原点を振り返るつもりだったと思われますし、それが、制作者の願いであったはずです。
しかし、現代はそんなおとぎ話では誰も喜ばなくなりました。だから、戦いという形で作らざるを得なかった。
惜しむらくは、なんで、もっとふわっとした作品にできなかったのかという点です。
夢や希望や願いというものは、かたちにできるものではなくて、心の奥の深いところにあって見えないものです。
確かな形にしようとしたところに無理があったように感じます。
そのことに心が痛む映画鑑賞でした。