こころあそびの記

日常に小さな感動を

クリスマス

 

 風が強くて水面が波立っていました。

 そんな中でも、カモたちは楽しそう。流れてきた浮き草を取り合いして食べるヒドリガモのつがいを見つけました。彼らのかわいい仕草に、ひととき寒さを忘れることができました。

 

 

 今日はコガモ14羽、コサギ2羽、ヒドリガモ3羽、カルガモ2羽に会えました。

 カモたちを見つけたら足を止めて、しばらく川面を覗き込みます。そのうちに血の巡りがどんどん良くなってくるのです。私にとっては、どんな栄養剤よりも効く薬です。

 

 

 今日はクリスマス。

 私はキリスト教の信者ではありませんが、知り合いのお世話で玉造にある城星幼稚園に通っていました。

 学芸会の出し物では、浴衣で日舞まがいを披露したこともありましたが、忘れられないのは「東方の三博士の物語」です。

 現在、クリスマスツリーのてっぺんに付ける大きな星は、東方の博士たちを導いた星の象徴といわれています。

 キリストの誕生に合わせるように、ひときわ大きな彗星が流れたというのはできすぎた話ですが、それでも、当時の抑圧された人々にとっては、待ちに待ったキリストの誕生だったことでしょう。

 しかし、宗教画などに描かれたキリストはどれも悲しげです。

 今の中近東の様子を見るにつけ、キリストの誕生と贖罪が、世界にどれほどの役に立ったのかと考えざるを得ません。

 人間の業は、ひとりの神の出現では救済しきれないほど深く底なしです。結局、神様に頼るのではなく、一人一人の心のあり方だと思うのですが、そんな風に言えるのは、日本みたいに四季のある美しい国土に住む民族だからです。思惑の入り乱れた地域であるガザの映像を見ながら、途方に暮れるばかりです。

 

 

 ところで、幼稚園生の私は、馬小屋の中に座ってキリストを抱きかかえているだけのお役でした。

 東方からやってきた三博士はキリストにプレゼントを持ってきます。

 王位の象徴である黄金と、神性の象徴である乳香と、死の象徴である没香です。

 クリスマスにプレゼント交換をするのは、この博士たちの贈り物を起源としているとか。

 我が家も、昨晩は大いに盛り上がりました。

 クリスマスどころではない紛争中の人々には申し訳ないことです。解決の糸口さえ見えない紛争を、キリストさまはご覧になっているのでしょうか。