きのうから二十四節気の「大寒」に入りました。ということは、あと半月で「節分」がやってきて、その翌日は「立春」です。
ちなみに、一年に四回ある四立(立春、立夏、立秋、立冬)前のそれぞれ18日間が土用とされます。次の季節に向けての準備期間です。
今は「冬土用」最中というわけです。
乾坤(けんこん=天地)に寒という語のひびき満つ
富安風生
皆さんは眠りに就くときと、起床はどちらが、”どっこいしょ“になりますか?
大概は、朝起きるほうがつらいのではないでしょうか。
そうなんです。同じように、冬から春へという季節のほうが体への負担は大きいのです。
だから春はアレルギー症状や鬱病などの不調が出現しやすいようです。
まさしく今、最後の冬の養生を完成させておかなければなりません。元気に春に向かって起き出せたら、次の季節も健康に過ごせるというわけです。忘れ物はないですか。
今日は、豊中でお話会をさせていただきました。
雨の中、お運び下さった皆様ありがとうございました。
おかげさまで、無事に?終えることができてほっとしています。
これも、「杏☆漢方セミナー」としての活動を見守ってくださっていた情報サロンの方々のご尽力によるものと深く感謝申し上げます。
皆様にお話させていただいたことで、あらためて自分の好む道に変わりないことを再認識いたしました。
私は漢方薬が好きなのではなくて、その考え方が好きで漢方という世界に迷い込みました。
今日来られた方の中には、漢方薬を期待しておられた人がおられたかもしれません。
そんな方には申し訳ないことですが、薬には興味の持てない薬剤師なのです。
健康に過ごすためにという名目で、情報社会があの手この手と繰り出すクモの糸にひっかかる人を横目に、それよりも、自然の循環に合わせる方がずっと幸せになれると信じる変人です。
私が知りたいことは、薬という形あるものではありません。形あるものに頼らないところに幸せがあると思っています。
他に頼らない人は、たとえ病に冒されようとも心は幸せで居続けることができるのではないか。そう信じたいのです。
今日の参加者の中で「”勘“」という言葉に共感してくださった方がありました。医療や薬に惑わされずに健康を考えるなら、自分の“勘”こそが一番大切であることは自明の理です。
科学が発達したおかげで、なんでも情報や数値など目に見えるものを過剰に信頼する傾向にあります。
でも、生きるということに関しては、私たちは間違いなく動物なんです。
ライオンは餌を食べて数日間は次の狩はしません。体をよく知るライオンに比べて人間はどうでしょう。
腹時計の人はまだましな方で、大方は時計を見て生活し、空腹感を感じないでも時間がきたら食べてしまっているのではないですか。
こんなこと一つとっても、私たちは“勘”を失いかけています。
ほんとうに幸せに生きたければ、「大自然の一員であり、常に自然から影響を受けている」ことを感じ取る力を失わないことだと思います。
この先も勉強を続けたいけれど、困ったことに、年寄りですから、新しいことが頭に入ってくれないのです。
どうしましょう、といってしまえば幸せにはたどり着けません。
ゴールテープを切る日まで、自分が一番知りたいことを探り続けたいと思っています。
答えのない勉強ですから、果てしないことです。たどり着けなくてもいいんです。一番知りたいことに向かっている、そのことで元気は湧いてくるのですから。