こころあそびの記

日常に小さな感動を

コマーシャル

 

 干し柿

 急がねばならない冬支度が、次々思いついて慌ただしいとはこのことかと思います。

 今朝は、村雨辰剛さんの出演されている園芸番組を観てしまったので、そうだ!クロッカスを植える時期だと気づきました。早く買ってこないと・・

 

 

 さて、テレビショッピングといえば主婦が対象かと思っていましたが、最近のターゲットは老人に移っているそうです。

 取り立てて用事のない老人は一日テレビをつけています。そこを狙いすまして、老人に好まれるような宣伝文句を並べたて、ちゃっかり売りまくっているという話です。

 

 テレビの視聴時間の半分は宣伝を見せられているという統計もあるほどです。

 ラジオも同様。

 近頃の民放ラジオはひどいものです。

 あらかじめ制作されたコマーシャルを流すといったスタイルから、番組ジャックして、局アナもゲストも巻き込んで宣伝ライブを繰り広げるという方法に変わってきました。

 その占有時間が長いことから、宣伝料金が高額であろうことが推察されますが、一方で、それに見合う儲けがあるのかなと勘ぐってしまいます。

 

 ところで、先日、カーラジオを聴いていて、笑ったことがあります。

 例によって、ある漢方薬の宣伝が、番組時間内で繰り広げられていました。

 アシスタントの女性の声で、

 「すごい!一粒で三つも効果があるなんて」と驚きの声をあげた後で、製薬会社の人が続けます。

 「そうなんです。この錠剤は一石二鳥どころか、三鳥にも四鳥にもなるんです」と。

 その効能は、足腰の衰えや痛み、夜間尿の回数、かすみ目、手足の冷えまでうたっていました。

 

 

 いゃだ。効く効かないは別にして、漢方薬を知らない人に、こういう売り込み方するなんて。ひどい話です。

 ピンポイントで効く西洋薬と同じように効能をうたうから、こんな笑い話になってしまうのですよね。

 漢方は、面白くて不思議がいっぱいです。

 これは、受け入れられる人と毛嫌いする人の二手に別れるかもしれません。

 昔、漢方の先生がおっしゃいました。

 漢方を勉強しようとするなら、西洋医学を忘れてから、かからないとだめよ。

 それほど、東洋医学は理屈の通じない世界です。また、最も必要な要素は動物的な勘だとも。

 

 そんなの嘘だと思う人も、よくよく自分のからだに聞いてみると、先人の観察と同じことがからだで起こっていることが分かります。

 そのわけは、昔も今も、私たちが大自然の中で生活している点に変わりがないからだと思うのです。

 

 

 たとえば、「腎」。

 両親から受け継いだ精があるところであり、食べたものに由来する特別な精の在り方であり、天の清気をしまうところでもあります。

 つまり、腎こそは私たちの成長や老化を担う場所なのです。

 

 ラジオで取り上げていた驚くべき効能の数々は、腎の持つ働きだったのです。

 骨、髄、脳、毛髪、腰、膀胱、耳、成長、発育、生殖、老化。

 これらと関連している腎を養うことで、症状の改善を目指す薬でした。

 最後に、漢方でいう「腎」は、腎臓という単独の臓器ではありませんので、あしからず。