こころあそびの記

日常に小さな感動を

答えは自然の中に必ずある

 

 わんこがきゅんきゅん鳴くので、雨がひどくならないうちに急いで家を出たら、途中で携帯を忘れたことに気づき、がっかり。

 せっかく霧の中に迷い込んだような感覚をお伝えしようと思ったのに。

 「雨がひどくならんうちに」と話しかけて下さったわんこ連れの心優しい男性。

 大阪のビル街は霧の中。千里の高層マンションは上層階は見えない景観に、

 「いや~これはこれで気持ちいいですよ」と足早に去って行かれました。

 

 

 小林製薬の「紅麹」を含むサプリメントで、倦怠感を訴えたり、腎臓を傷めて入院する騒ぎになっているとニュースで報じられています。

 コレステロールが悪者という知識が過剰に擦り込まれた弊害という一面もあるのではないかとも思います。

 なんとか、コレステロールを減らしたいという思いから服用する人や、病院で処方される薬の他にサプリメントまで足して服用する人。

 サプリメント市場は、そんな人々のありがたい思惑で繁盛しているのでしょうね。

 

 

 でも、コレステロールってそんなに悪者でしょうか。

 コレステロールは、体内で8割作られ、残りの2割が食べ物から入ってくるそうです。ですから、親が高脂血症なら、代謝が似ている子どもだってコレステロール値が高くなって当然。親が元気にしていたら、私も元気でおれるのです。足ることを知ってさえいれば、いらぬ心配をする必要はありません。

 

 さらにいえば、コレステロールはホルモンなど大切な生理活性物質の元にもなることを思えば、そんなに必死に悪者扱いすることなさそうなのに、知識優先、コマーシャル氾濫の世情が嘆かわしいことです。  

 頭でっかちが健康の必須要因ではないのになぁ。

 

 

 

 ところで、代表的な抗コレステロール薬であるスタチンは、日本の研究者が開発したことをご存知でしょうか。

 昔、父が「これは、日本人が開発したんや」とうれしそうにメバロチンを飲んでいた姿を思い出します。同じく化学を志した者として、誇らしく思っていたのでしょう。もっとも、その後服用は止めたようですが・・

 

 その化学者は東北大学農学部出身の遠藤章先生です。

 医学界新聞のインタビュー記事から拾ってみますと。

 元々医者志望だった彼は、創薬でも人命を救えることを、ペニシリン発見者のフレミングの伝記を読んで知ることになります。

 研究を進めるうちに、菌類から発見された抗生物質が様々な酵素を阻害する働きがあるなら、コレステロールの生成を阻害する物質を作る菌類があるはずだと、狙いを定めます。それは、賭でしたとおっしゃっています。

 お金も支援者もない中で、二年間で6000株の菌類を手仕事と根気で調べ上げ、そして、ついに「自然からの贈り物」に到達したのです。

 今や世界中で毎日4000万人以上が第二のペニシリンといわれるスタチンを服用しているといわれます。

 そのスタチンでさえ、思いもよらない副作用は報告されているのですから、手当たり次第にサプリメントを服用することがどうなのか。その答えは自明の理です。