朝のルーチン。
3つのお弁当と朝食の準備を終えたらやれやれ。自室で一息入れ、おもむろに洗面台に立ちます。 そのとたん、今まで寝ていたはずのわんこが、僕の番到来とばかり、切なく鳴き始めるので、急かされるったらありません。
はいはい、わかったよ。と、アリーナまで行ってきました。
モミジのピンク色の花。
満開のドウダンツツジの香り誘われてカナブンが集まっていました。
ビワの実が大きくなってきました。
クヌギでしょうか。この花の実が生るのは来年の秋です。長い旅の始まりです。
新緑の抹茶色や桜の桃色など、多色使いの笑顔の春山を眺め入ってしまいました。
農作業中の男性に、
「山がきれいですね」と思わず声をかけてしまいました。
突然の話しかけに驚かれたのか、怪訝な様子でしたが、
「そうですな。山桜が終わって新緑の季節になりました」
「そうですね。私、こないだ吉野に行ってきましたが、この箕面から五月山にかけての山肌に咲く山桜の美しさをあらためて思いました」
「僕も、そう思います。昔より増えたように思うのは、若いころには興味がなかったからかな」と、はにかまれたように見えました。
山桜が均等に植わっているように見えるのは、人間が植えたからでしょうか。それとも、小鳥たちがばら撒いた種が、実生の桜となり根付いて育ってくれたのでしょうか。
ともあれ、彼が、若いときより山桜が増えたと感じる心をお持ちだったことをうれしく思ったことです。
そして、少し和んで下さったので、厚かましくお尋ねしてみました。
「私、昨日、キジを見かけたんですけど・・」
「いますよ。いっぱい。その辺の道、走り回ってる時もあります。写真を撮りにくる人だっていますよ」
「ええっ!ここはキジのメッカだったんですね」
「さっきも、あっちの方に飛んでいきましたよ~」
今もキジが身近にいると知ったことで、いつものマイ・パラダイスがますます癒やしの場所になりました。
もっと早くキジのことや箕面のことを知っておれば、というのは、どたい無理な話。
この年まで生きたご褒美として、見るものすべてが美しくなったのです。
そのことを、今日お目にかかった男性に教えてもらったと思っています。