こころあそびの記

日常に小さな感動を

木犀の香り

 

 きのうの日没。

 美しすぎて、カメラには収まりきらない壮大なグラデーションの変化。

 日没時刻が早くなってきたので、主婦の方の姿も見かけるようになりました。夕飯がある程度準備できたところで、ちょっと見に行くのに丁度良い時間帯です。

 たった30分ほどですが、その場に立ちさえすれば永遠を感じることができる貴重な天空のドラマです。

 

 

 娘がまた生き物を飼い始めました。

 上の子の名前は「忘却の翼」、下の子は「楊貴妃」という種類だそうです。

 「お母さん見て!忘却の翼、卵持ってるわ」と、早速、別容器に移して出かけてしまいました。早わざ!まめでないと、生き物は飼えません。

 

 

 登校前の時間のないときに、何をしてるのかと思ったら、わんこに布団をかけてやってたのは孫娘。

 「こんなんされましたけど・・」と、じっとこっちを見ている姿に、笑顔がこぼれないわけはありません。

 家族みんなの癒やしという役目を十分に果たしてくれるわんこです。

 

 

 そんな子や孫に比べて、なんと薄情な、わたくしでしょう。

 何十年と見てきた庭木なのに、子どもに指摘されて、初めて、オレンジ色と白色という二種類の木があることに気がつきました。

 この季節になったら香るものと、顔を近づけて見ることもなく過ごしてきたからでしょう。

 

 

 この木に実が生るということは、わんこが落ちていた実を美味しそうに食べていたから知ったほどの体たらくです。

 

 今朝、いよいよ気になって、キンモクセイを調べていたら、木犀には金、銀、薄黄と四季咲きの四種類があるそうです。

 

 区別するにあたっての大きな特徴は、結実するか、しないかです。

 とりあえず、キンモクセイは日本に入ったのが雄株だけだから、実はならない。

 ややこしいのは、実が生る木が、ギンモクセイとウスギモクセイの二種類あることです。

 白いと云われれば白いし、薄い黄色と云われればそうとも見えます。

 

 

 葉っぱの特徴といわれても、ギザギザがあるのも、ないものもあって、素人の識別は困難でした。

 いいんです。名前は木犀。その中で実の生る木犀です。

 この春は昨年より少なかった結実。周期からすると、来春はきっとわんこがよろこぶほど実るはず。楽しみです。

 

 

 現在、漂う香りは最盛期。

 どこからか香ってくるとクンクンしてしまいます。それが秋の仕業だとすると、うまく仕込まれたシステムです。

 秋は、肺が旺盛になる季節です。

 花の香りに誘われて思わず深呼吸してしまうなんて、自然の思いやりはなんと奥深いことかと、また、感心です。