遠くからでも、濃い桃色で存在感をアピールしてくるキクモモが満開!
思わず近寄りたくなってしまいます。
私だって紅紫色だよ、とハナズオウ。秋になればお豆さんがぶら下がる豆科植物です。
蘇芳色の原料になるのは喬木だから別品種のようですが、蘇芳という色は着物愛好者には馴染みのある色です。
幸運なことに、立て続けにこの二日間、キジを見たので悦に入って自慢してましたら、娘がどうしても見たいと言いだして、今朝は2人でアリーナに行きました。
溜池に巨大なオタマジャクシが泳いでいたりして、この高台は、いつ来ても新しい発見と和みの場所です。
虎杖(いたどり)が背を伸ばしてるのを見た娘が、昔、田舎で食べたね、と言ってくれたのは、経験がものを云わせたのだとうれしくなりました。
こんな私でも、シロツメクサの白い花とタンポポとレンゲでティアラを編んで娘の頭に乗せてやった日もあったのです。
聞くところによると、今は野原で花を摘んではいけないと教育するそうです。
触ってみて、匂ってみて、感性が養われるのに。ぎゅっと握って帰ったら、しなしなになった経験が優しさを培うものなのに。
それは老婆心。たとえば、コロナ禍を過ごした若者たちは、今を生きるための勉強をしたはずですから、昔は良かったなんて言えません。
神様は、世の中を見渡して、今の世に相応しい経験を積ませていると信じましょう。
「コケコッコー!」といつものように元気に鳴いている鶏たちの声がこだましてきました。
通りすがりに、お世話されていた奥様と目が合いました。
広い農園のお世話をされているのはお見かけしていましたが、お話しするのは二回目です。
実は、先日、NHKテレビで取り上げられていた『萱野三平記念館』で、赤穂浪士の語りをされている女性として写っておられたのです。「観ましたよ!」とお声かけしたのは、ついこのあいだのことです。
なのに、「おはようございます」と挨拶したら、「入ってきますか?」とご招待を受けてしまいました。
娘が「知り合い?信じられない」と言うほど、フレンドリーに誘い入れていだきました。
そのお優しさが、私の体全体に染み渡ったのは、その後のすべてのご行為からでした。
鶏と説明しましたが、正しくは烏骨鶏(うこっけい)です。
彼らの中にもストレスを感じやすい個体がいて、そんな子は鶏冠(とさか)がボリュームダウンするんですと笑顔でお話されます。
小さな鳥小屋に腰をかがめて入って、バタバタと鳥たちと格闘している音が止んだと思ったら、一羽を抱っこして出てきて、娘に「抱いてみる?」ですって。
後で聞いたら、娘もこの初体験には躊躇したみたいでしたけど(笑)。
女3人で楽しんでいたら、「私も出して。メー!」とメリーちゃんが鳴いたので、メリーちゃんを昼間の運動場まで移動させることになりました。
「持ってみる?」またまた、リクエストを受けた娘。
綱を持たせてもらって坂道を下っていく様子を動画に撮ることくらいしか私にはできませんでしたが、動物好きの娘が「ここは六甲山牧場?」というくらい貴重な経験を、この「アリーナZOO」でさせていただきました。
ありがとうございました。
そのあと長い間、私の心臓はバクバクが治まりませんでした。
なんでそうなったのかはわかりません。
ただ、この奥様のあるがままの生活と、優しいお心に感動してしまったのです。優しくしてあげようという作為的なところは一切ありません。
ほんとうの幸せは、この生活だと娘と語り合ったことです。
優しさの本流を見た思いです。