こころあそびの記

日常に小さな感動を

sorry!

 

 大形徹先生の『荘子』講義の日です。

 駅のホームで電車を待つ間、ふと目にした蔦に何やら花らしき影がありました。

 蔦に花が咲くなんて知りませんでした。でも考えてみたら、ブドウは蔦を改良したもの。だとしたら、花が咲くのは当たり前なのかもしれません。

 この年まで見落としてきたものを、拾い集める毎日に幸せを感じています。

 

 

 大阪城天守閣に向かう極楽橋の上で、後ろから、英語で呼びかける声がしました。

 まさか、私にではないだろうと聞き流していましたが、さすがに三回目には振り向いてしまいました。

 本物の外人女性でした。その途端、なんと呼び止められたのかさえ記憶から飛んでしまいました。

 いつも申してますように、外人アレルギーという性分が抜けずにいますので困ったもんです。

 それでも、携帯で写真を撮って欲しいと頼まれたことは理解できました。さっさと撮ればいいのにモタモタしてるうちに、カメラが消えてしまって、「sorry」とだけ、言えました。

 お一人で来られてたみたいでしたから、どちらから?くらいは訊けばよかったと思ったときは後の祭りでした。

 

 

 大阪城公園を横切って上町筋に出て、市バスに乗り込みました。今は、ハイカラにシティバスというそうですが。

 三つほど前の席の女性の髪色が美しくて、うまく染まっているなぁと見ていました。

 そうしたら、次の停留所で老人が乗ってきたとき、さっと立って席を譲ったその人は、フィリピン人のようでした。

 その次の停留所では、自分の子どもたちも立たせて、高齢者を次々に座らせた気働きに感心してしまいました。

 

 

 今、世界は移民問題に揺さぶられています。

 日本も例外ではなく、神社仏閣に悪さをしたり、ゴミを捨てたり、暴れる人も毎日のように報告されるようになっています。

 バスの中で会った女性は、そのような状況をよく理解して、日本の風習に合わせる努力されているように思いました。ご老人に気遣いされていたところをみると、たぶん介護系で働かれているのではないでしょうか。

 

 

 共生社会の実現、と言葉巧みに政治利用しようとする人々に騙されてはなりません。日本に住みたいなら「郷に入れば郷に従う」覚悟が必要です。

 外人さんは、日本が好きです。

 日本が穏やかで平和で食べ物も美味しいからです。

 そんな日本に生まれたこと、育てられたことに、大いに誇りをもっていいのだと、移民問題を考えるたびに感じます。