こころあそびの記

日常に小さな感動を

夏越の祓

 

 日の丸が揚がっていたのは、今日が特別な日だからでしょうか。それとも、この神社では毎日、掲揚されているのでしょうか。

 そのどちらかが分からない不心得者です。

 

 

 今日は6月最終日です。とはいえ、旧暦では、まだ5月25日。

 今日、茅の輪が設えられる神社もありましょうが、なかには、旧暦六月通りに、来月行う神社もあります。

 この大祓いは、半年間の罪、穢れを祓うため、御所の朱雀門で行われた儀式で、その時唱える祝詞延喜式(927年)にある「六月晦大祓(みなづきみそかのおおはらえ)」です。

 

 

 大祓詞天皇の命により、祓の神に罪、災い、汚穢を移して、海原に流し捨てるという内容です。

 そこに登場する神さまが瀬織津姫です。私たちの汚れを海原に持ち出してくださり、そのあと、速開都姫が受け取り、気吹戸主が底の国に放ち、速佐須良姫が消してくださいます。

 最後の禊ぎは海原であることが、この国と海との関わりを示しているように思われて興味深いことです。

 

 

 水無月の大祓は、「古今和歌六帖」にあるこの歌で、皆の知るところになったこ考えると、今風に云うコピーの役割の大きさに感じ入ります。

 

 水無月の名越の祓する人は

 千年の命延ぶといふけり

 

 こういう歌もあります。

 

 みそぎつつ思ふことをぞ祈りつる

 八百万代の神のまにまに

             伊勢

 

 『光る君へ』の時代の少し前から、天皇さまがずっと行ってきたことが、今や下々まで浸透した行事になりました。

 昨日、今上天皇陛下が英国からお帰りになられたのは、今日のためでしょうか。どうぞ、お疲れを先に癒してからにと、念じています。